デビルと仲間たち No.26 【最悪の事態】
20○○年9月○日
午前10時
東京第1連邦基地
8月という真夏の時期は早くも終わりをむかえ、9月になり食欲、本、運動といった言葉が思い浮かぶ時期になった。そんな中俺が務めるこの東京第1連邦基地の上空では、朝から鉄でできた鳥が空を駆け巡っていた。そう、戦闘機である。俺が航空機の訓練を中心に行うと決めてから1週間が経った。今は朝から夕方まで、基地の上空を航空機が飛んでいる状態だった。
ブーンブーン
司令官「だいぶ、動きが良くなってきたな。」
一村「はい。そうですね。」
と今日も俺は司令塔の屋上か戦闘機で訓練をする部下たちを一村と見ていた。
司令官「それで、一村。お前は、訓練の指導はいいのか。」
一村「今は、休憩時間なので。」
司令官「そうか。それなら、問題もないな。」
そう。現在、この基地で戦闘機の教官をしているのは、俺と一村と清岡、林。そして、姉さんである。俺は、基本空戦においての戦術などを教えている。一村は、イタリアとドイツの戦闘機に乗る兵士たちの教官を担当しており、清岡は日本、林はフランス、イギリス、アメリカの機体を担当している。そして、姉さんはソ連担当だ。元々、姉さんはパイロットとして優秀で、各国のあらゆる機体を操縦することもできる逸材でもあったのだ。今では、北海道でも教官を担当しており、一村、清岡、林も姉さんの元で戦闘機のパイロットになったのである。そのおかげで、今では3人はエリートレベルのパイロットにまで成長した。だが、3人とも訓練時代の頃は、好きな国の戦闘機の訓練に没頭していたこともあり、いつも自分が乗っている国以外は教える事が困難であった。特に、3人ともソ連の戦闘機は全く乗ったことがないため、俺が直接姉さんに頼んだ結果、姉さんは今、この基地で滞在しながら教官を担当してくれいる。まぁ、おかげで皆腕は確実に上がっているのは確かだった。
司令官「これで、帝国の爆撃機にも対抗できるな。」
一村「はい。後、戦闘機以外の航空機に志願した兵士たちの訓練も順調に進んでいます。また、対空装備もだいぶ揃ってきました。兵士たちの練度も問題ないと思います。」
司令官「そうか。では、後は敵の情報を待つだけだな。」
一村「そうですね。」
と話していると、
ブーーーーーーーーーーーン
ブーーーーーーーーーーーン
ブーーーーーーーーーーーン
ブーーーーーーーーーーーン
と突如、俺たち上を数機の戦闘機が通過していった。
司令官「おっと!!びっくりするなぁ。」
一村「本当ですよ。どこの機体ですか。」
司令官「あれは・・・・・・・。」
俺はよく目を凝らして見ると、4機には日の丸がマークが付いていた。
司令官「あれは、二式単座戦闘機の鍾馗だな。って事はグロリア達だな。」
そう。グロリア達も、ラインハルトと同様に連邦の兵士として働く事になった。兵士ではなく、普通に過ごすこともできたのだが、彼女達もラインハルトと同様に祖国を取り戻すために戦うということで今は俺の元で働いている。今俺の元で働いているのは、グロリア、ラーラ、アキ、マコト、真白、火花、しぐれ、ときこ、かざり、うつき、すずな、かずは、れんか、さぎり、ゆずは、はかりだ。グロリア、ラーラ、アキ、マコト以外は元々帝国に占領された国の者で、占領後は、捕虜になっていたらしいが、グロリアに救われ、共に日本に逃げてきたそうだ。彼女も同様祖国のために戦うと決めた者たちだ。そしてグロリアにはラーラ達と共に空戦において二式単座戦闘機鍾馗二型丙を主力とした第38師団の指揮を任せている。また、グロリアには試験的に導入された鍾馗の乙型の機体のパイロットも任せている。乙型は丙型とは違い、一部を12ミリ機関銃から40ミリ機関砲に換装させた機体なのだ。俺はこの部隊に対してとても期待しているのだ。元々、鍾馗は一式単座戦闘機隼といった格闘戦を主流とはせず、一撃離脱を主流にしている。そのため、爆撃機など対してはとても効果的なのだ。そして現在この機体をうまく操れている彼女達はまさに期待の星なのだ。
司令官「アイツらだいぶ慣れてきたな。」
一村「そうですね。これなら、実戦においても問題ないでしょう。」
司令官「あぁ。帝国にもいい奴はいるんだな。」
一村「・・・・・えぇ。そうですね。」
こうして、俺たちは少し話した後、俺は一村と別れて執務室に戻った。
午前12時
俺は執務室に戻ってきてからずっと、帝国軍の空襲に備えて作戦を考えていた。すると、
バンッ
突如、強くドアが開かれた。そして、誰かが入ってきた。
大淀「大変です!!提督!!また、日本防衛師団がきました。」
犯人は、大淀だった。
司令官「またか。ったくしつこい奴らだな。」
1週間前にも来ていたが、ウザいので俺が隊長をふっ飛ばして送り返したばかりだった。(前回の話の内容)
大淀「実は、日本防衛師団の師団長が来ておりまして。至急、この基地を調査すると言っております。」
司令官「ハァ!!赤坂が。」
大淀「今は、一村さん達が足止めをしてくれいます。」
司令官「分かった。すぐに行く。」
そして、俺は執務室を出て、すぐに一村達がいる鎮守府のは正門に向かった。
午前12時10分
鎮守府正門
俺が正門に着くと、そこでは既に
一村「ですから、浅野元帥の許可がなければ、ここには入れまんって。」
日本防衛師団隊長「いいから、さっさとここに入れろ!!」
と前回と変わりない風景だった。
司令官「一村。お前は下がれ。俺が対応する。」
一村「隊長。ですが・・・・。」
司令官「いいから、下がれ。」
一村「わかりました。」
そう言うと、一村は下がる。
そして、
司令官「それで、何のようですか。前回と同じ件でしたら、お断りですよ。」
そう言うと、
?「そう言うわけにはいかないんだよ。悪魔。」
と1人の男性が言ってくる。
司令官「赤坂。」
赤坂「久しぶりだな。悪魔。」
と言いながら赤坂が前に出てくる。
赤坂悠真・・・日本防衛師団のトップ。司令官が防衛師団いた頃から彼を強く妬んでいた。階級は、中佐。
司令官「お前が来るとは、想定外だったよ。」
赤坂「だろうな。でだ、単刀直入に聞こう。何故、調査を断る。」
司令官「何故って、そんなの当たり前だ。事前に連絡もないのに、急に来られても困るんだよ。それに、そちらも理由を話してないしなぁ。」
赤城「そうか。それが理由か。いいだろう。教えてやるよ。俺たちがここに調査をしに来た理由。それは、帝国の人間を捕らえるためだ。」
司令官「・・・・・どう言うことだ。」
赤坂「実は、10日前、岐阜県のある平原で放棄されたB-24を我々が発見した。そのB-24の翼や胴体には帝国のマークが描かれていた。おそらく、何らかの方法で日本に侵入し、そこで不時着したのだろう。そして、現在も搭乗員の行方は分かっていない。そこで俺たちが防犯カメラなどで調査した結果、怪しい人物達が、この基地の付近にある防犯カメラに写っていた。そこで、俺はもしかしたらお前が帝国兵を匿っていると思ってな。」
司令官「なるほど。つまり、調査の理由はその帝国兵を捕らえるためだというわけか。」
赤坂「その通りだ。」
司令官「悪いが、この基地にそんな連中はいない。」
赤坂「じゃあ、なぜ調査を断るんだ。」
司令官「事前に連絡がないからだ。普通、こういう調査では事前に連絡することが当たり前だ。」
赤坂「だが、我々日本防衛師団は急を急ぐ場合は、ある程度事は許されている。」
司令官「ほう。じゃあ、お前はそんなに急いている事なのか。俺が見る限りあんまり急いでいないように見えるが。それに第一、急な事でもここの責任者の許可は必要だ。ここの責任者は俺だ。つまり、俺が許可しない限りここには入れない。つまり、調査も不可能ということだ。」
赤坂「そうか。では、仕方がない。今日所は帰るとしもう。だが、これだけは言っておく。帝国兵を追っているのは我々だけではないぞ。」
そう言うと、赤坂は帰って行った。
一村「隊長。今の話って。」
司令官「あぁ、おそらくグロリア達のことだ。」
一村「ヤバイですね。完全に疑われてますね。」
司令官「あぁ。できたらこのまま終わって欲しいのだが。」
と言うがその事は叶う事は無く、2日後
9月○日
午前11時
執務室
俺がいつも通り執務室で仕事をしていると、
ダンッ
また、強くドアが開かれる。
一村「隊長!!大変です!!」
司令官「何だよ。一体。」
一村「先程、浅野元帥から連絡があり、帝国からメッセージが届いたとのことです。そのメッセージには、グロリアさん達の事だったらしく、全てがバレてしまったらしいです。」
司令官「何!!」
一村「至急、本部で緊急会議が開かれるため、すぐに出頭せよとの事です。」
司令官「分かった。すぐに行く。姉さんにはこのことを伝えたのか。」
一村「はい。先程、タクシーで本部に向かいました。」
司令官「そうか。急いで、車を回してくれ。」
一村「分かりました。」
そう言うと、一村は急いで執務室を出ていった。そして、すぐに一村と共に車で本部に向かった。
午前11時30分
東京
連邦本部
俺はあれからすぐに本部に着いたが、既にグロリア達のことがバレていることもあり、周りの幹部からは睨まれるばかりだった。そして、
浅野「諸君!!会議を始めよう。」
と浅野元帥が言いつつ入ってきてた。そして、会議はすぐに始まった。
浅野「諸君。これは由々しき事態だ。今日の午前8時19分。私の元に帝国からメッセージが届いた。内容は、日本に亡命した帝国兵の事だ。向こうは、早急に帝国兵を引き渡すよう要求してきた。期限は10日。それを過ぎれば帝国はこの東京に対して空襲を行うと言ってきた。」
と衝撃的な事を耳にした幹部は、
幹部「何だと!!」
幹部「まだ、東京はクーデター以降から復旧を行なっている最中だ。」
と周りが騒がしくなる。
すると、1人の少将が、
少将「浅野元帥。元々、この事態を引き起こしたのは大杉大佐だと聞いているのですが。それは、本当ですか。」
と質問する。
浅野「本当だ。」
すると、
大尉「どういうことだ。」
少佐「大杉大佐は何を考えている。」
少尉「今回の件を引き起こしたは、大杉大佐が原因だというのか!?」
と騒がしくなる。すると、
浅野「君達、何か勘違いをしてないかね。大杉大佐は悪くないよ。元々、この件は私も知っていた。私だけではない。龍斗くん、さゆみ君、岡本君も知っていた事だ。悪いのは、私だ。攻めるなら私を攻めなさい。」
と言う。しかし、
少尉「では、大杉大佐は何故、帝国兵を匿っていたのですか。」
浅野「それは、・・・・・。」
司令官「それは、あなた方が信用できないからですよ。」
と俺は言った。そして、
少尉「ふざけるな!!我々を信用できないだと!!」
中佐「貴様!!英雄になれたからといって調子に乗るのもいい加減にしろ!!」
中将「貴様は、この責任をどう取るつもりだ!!」
と流石に幹部はキレて、俺に対して怒鳴ってくる。しかし、俺は
司令官「ふん。どうして、あなた方を信用できないかは、貴方方もわかっている事でしょう。貴方方は、降伏した帝国兵を普通に殺すからですよ。」
少尉「何だと!!」
司令官「私が、彼女達は匿った理由はそれです。元々、彼女達は帝国の親衛隊と言う組織からひどい扱いを受けいました。女は男の奴隷という考えをもったイカれた連中が作った組織です。彼女達は、そのイカれた連中から逃げてきた者たちです。彼女達はただ生きるために自分の正しいと思った選択肢を選んだだけです。そして、私の基地に現れた際は本部に引き渡す事も一時は考えました。ですが、この中にも親衛隊と変わらない連中はこぞっています。だから、私は彼女達を匿ったんです。」
少将「その行為が、今日本を陥れようとしているのだぞ!!」
司令官「ですから、私も今ここで対策を考えるために来ているのですよ。」
少将「考えるだと・・・。そんなの答えは決まっている。彼女達を帝国に引き渡すのだよ。」
司令官「ハァ!?」
少尉「当選の答えだな。」
大尉「それだけで日本が救われるなら、当選だな。」
と当たり前のようにグロリア達を引き渡すと幹部達を答えてきた。
司令官「本気ですか。」
少将「本気だ。それだけで日本が救われるのだ。答えは決まっている。」
司令官「それだけって、彼女達はどうなるか分かっているのですか。」
少将「そんな事は、我々が知った事ではない。第一にこの国に帝国の人間がいる事が間違っている。」
中佐「そうだ。」
大尉「帝国の人間は日本にいるべきではない。」
中佐「所詮、帝国の人間など生きる価値のない下等生物だ。」
とグロリア達を罵る声が聞こえてくる。そして最後に聞いた幹部の発見を聞いた俺は、
ダンッ!!
思いっきり机を叩いた。そして、
司令官「俺の部下をバカにするな!!」
と怒鳴る。そして、会議室は静まり返るが、俺は
司令官「さっきから聞いてれば、好き勝手に言いやがって!!アンタら、本当に帝国を相手に戦う連邦の兵士か!?俺から見ればアンタらはただの臆病者だ!!アンタら、普通に交渉するれば助かると思っているのか!?彼女達を引き渡せば全て終わると思っているのか!!そんなの戦争を知らない赤ん坊でも分かるわ!!俺たちはずっと帝国と戦ってきた。どれほど、犠牲を払おうと前を向いて歩き続けてきた。苦しい時も悲しい時もだ。だが、そんな時にそばに居てくれたのは仲間だ。俺はそんな仲間達を裏切る事はできない。俺たちは進むしかないんだ。死んでいった仲間達のためにも、歩みを止めてはいけないんだ。だから、俺は最後まで戦う。どんな結末を迎えようとも。だが、こんな事で弱腰なる連中はここにいる必要はねぇ!!とっとここから出て行け!!」
と怒鳴る。すると、
浅野「大杉君。少し、落ち着きたまへ。君の気持ちも分かるが、今は冷静であるべきだよ。」
司令官「申し訳ありません。」
と謝ると、
浅野「確かに、交渉で日本が助かるというならば私も喜んで賛成したいが、私も帝国がこのまま交渉だけで終わるとは思えない。帝国は必ず何かしらを我々に仕掛けてくるはずだ。だから、私もこの交渉に応じるつもりはない。私は連邦の兵士の1人として大杉君の意見を尊重するよ。」
と浅野元帥は言う。すると、
さゆみ「私も、最後まで戦います。」
龍斗「俺もだ。」
岡本「俺も。」
と次々に言う。すると、
大尉「私も。」
少尉「自分も。」
中佐「俺も最後まで戦います。」
と次々に自分の意思を幹部達が答えていく。そして、半分以上の幹部が最後まで戦うという決断をしたのだ。そして、
浅野「では、答えはも決まった事だ。早急に作戦会議を始めよう。」
こうして、俺たちの東京の空襲を阻止するための作戦会議が始まったのだ。
そして、俺が作戦の指揮を執ることになり、まず俺はある事を幹部達に伝えた。
司令官「おそらく、敵の空襲は爆撃機によるものだと思われます。そして、その爆撃機はある空母から発艦すると思われます。」
と言うと、
少尉「大佐。それは、艦爆との間違いでは。爆撃機はある程度長い滑走路が無ければ発艦できません。現在、帝国軍が運用している爆撃機はB-24、B-17といったところです。この機体では、空母からの発艦は不可能です。」
と1人の少尉が言ってくる。しかし、俺は
司令官「実は、帝国にはそれを可能とする空母が存在するんだ。それは、コレだ。」
と言うと俺は1枚の写真をモニターに写した。そして、その写真を見た幹部達は
少尉「何だコレは。」
少佐「これは、空母か。」
大尉「こんなの、空母の大きさではないぞ。もはや、島だ。」
と幹部達は驚きを隠せない状態だった。
司令官「これは、約2週間前に、ハワイの周辺で撮影された物です。この空母は、とても巨大であり、爆撃機を飛ばすことは容易だと思われます。既に、この空母は実戦にも参加しており、今までにシベリアとハワイに爆撃機を飛ばしています。そして、この空母はハボクックと言います。自分は、この空母に収容されいる爆撃機が東京に飛来すると思っています。」
と言うと、幹部達はざわめきだす。
司令官「ですので、我々はこの空母から飛来すると爆撃機を全て撃墜しなければなりません。幸い、ここ1ヶ月のうちに多くの航空機が生産され、あらゆる基地で待機している状態です。この航空機を使って全ての爆撃機を撃墜しなければなりません。また、地上の対空兵器及び、レーダーをフル稼働で動かし、いつ来てもいいように備えるべきです。」
と言うと、
大尉「大佐。その空母に搭載されている爆撃機の数は分かっているのですか。」
と聞かれたので、
司令官「いや、そこまでの詳細は分かっていないと答える。」
すると、大尉は
大尉「それでは、我々はどれくらいくるかも分からない爆撃機を相手にしなければならないのですか。」
と言う。それに対して俺は
司令官「一つだけ方法がある。それは、この空母を叩くことだ。」
龍斗「不可能だ。爆撃機を落とす事で精一杯は俺たちににはな。」
司令官「確かに、そうだ。だが、俺たちにはまだ帝国には知られていない兵器がある。」
そう言うと、俺は
司令官「浅野元帥。ここでお願いがあります。」
と言い、その後俺は浅野元帥と幹部達にある作戦を伝えた。そして、結果は
浅野「いいだろう。許可しよう。」
司令官「ありがとうございます。」
こうして、俺の作戦は採用された。
こうして、東京の命運を賭けた新たな戦いが始まるのであった。
続く
次回、東京の命運を賭けた空戦が繰り広げられます。また、ある兵器もここで登場します。後、兵器もコメントありがとうございます。コメントで頂いた兵器は採用する予定なのです。それはでは次回もお楽しみに。
採用ありがとうございます。
続きがめっちゃ楽しみです。