2023-01-05 23:39:36 更新

4月○日 10時

横須賀鎮守府


鎮守府を制圧してから2日経った。

俺達は、次の提督が来るまでここを守るよう指示を受けた。

司令官(あれから2日か、早いもんだな時間って)

俺は提督室がある建物の屋根の上で横になっていた。

司令官「あれから、アイツとはまともな交流もない。このままアイツらが人間を信頼せずに新しい提督が来たら、どうなるのやら。」

空を眺めながら、のんびりしていると

夕立「隊長さ~ん。ここにいるぽっい?」

時雨「大杉大尉、ここにいませんか〜」

俺を呼ぶ声が聞こえた。俺はすぐに起き上がり

司令官「俺に何かようか?」

夕立「いたいた。屋根の上にいるぽい。」

時雨「一村さんと清岡さんが大杉大尉の事を探してましたよ。」

司令官(えっ!何でまた俺を?まさか報酬の話か?)

俺は真っ先にそれを思った。

時雨「なんか、本部の上層部から連絡があったらしいです。」

夕立「すぐに来て欲しいって言ってたぽい。」

司令官「ほ~い。分かったすぐ行く。」

俺はすぐに立ち上がり、屋根にかけてあった梯子で下に降りる。

そして2人の元に向かった。

すると、

時雨「僕たちも着いていっていいかな?」

司令官「あぁ、別にいいぞ。」

夕立「わーい。じゃあついて行くぽい。」

司令官「お前ら会って2日で普通、ここまで仲良くなるか?」

夕立「えっ?だって隊長さん優しいし、信頼できるぽい。」

時雨「そうだよ。僕たちのためにあそこまでしてくれたんだ。絶対ひどい人なんかじゃないよ。」

司令官「そうか。まぁ、艦娘の中でこんなに仲良くしてるのは、お前たちだけなんだがな。」

時雨を「そこは許してあげてくれないかな。みんなひどい目にあったから。」

司令官「別に怒ってねえよ。あんな事されたら、誰だってあんな風になるさ。悪いのは、クズ原(藤原)だ。」

夕立「今度、私たちの姉妹も紹介してあげるぽい。」

司令官「姉妹?あぁ、そうかお前ら白露型だしな。確か10人姉妹がいるだよな。確か時雨は2番目で、夕立は4番目だったな。」

時雨「すごい。詳しいだね。」

司令官「元々ミリタリーオタクだからな。それに白露型なんて軍艦ゲームで代表的な駆逐艦だからな。」

時雨「へぇ、そうなんだ。」

夕立「ちなみに隊長さんのおすすめゲームはどれぽい。」

司令官「カタツムリのロゴで有名なゲーム会社がやっているWar Thunderって言うゲームだ。」

時雨「どんなゲームなの?」

司令官「海なら軍艦、空なら戦闘機や爆撃機、陸なら戦車を操れるゲームだ。」

夕立「すごく面白そうぽい。」

司令官「今度遊びに来たらやらしてあげるよ。」

夕立「行く行く。絶対に行くぽーい。」

俺達は雑談しながら、2人の元へ向かった。


調査部隊の臨時司令室

コンコン

司令官「入るぞ。」

時雨「お邪魔します。」

夕立「お邪魔するぽい。」

俺達が臨時司令室に入ると、

一村「隊長!遅いですよ。」

司令官「悪い悪い。」

清岡「時間厳守は前線での常識ですよ。」

司令官「ここは前線でもないだろ。で、本部の上層部の奴らはなんて」

一村「まず、リモートで会議をしたいと。」

司令官「繋いでくれ。」

そう言うと、清岡がリモートで本部と繋ぐ。

そして

浅野『おお、繋がったか。では会議を始めよう。まず、最初に鎮守府の制圧の件ご苦労だった。』

司令官「いえ、当然の事をしたまでです。」

浅野『はは。君は本当に変わらないね。話が少しズレたな、単刀直入言おう。横須賀鎮守府の新しい提督が決まった。』

司令官「そうですか。それはよかったです。」

そう言って後ろを見ると、時雨と夕立は不安そうにしていた。

司令官「浅野大将少しよろしいでしょうか?」

浅野『何だね?』

司令官「その新しい提督は信頼できるのですか?」

浅野『安心したまえ、私が最も信頼している人物だ。』

司令官「そうですか。なら大丈夫でしょう。その人はいつ来るんですか?」

浅野『何を言ってる?もうその鎮守府にいるじゃないか。』

司令官「え!?」

浅野『君だよ。大杉君。』

司令官「・・・・・・・・・・はぁ!?」

浅野『言ったじゃないか、私が最も信頼できる人物だと。」

司令官「待ってください!何故、俺なんですか?」

浅野『君は、すでに2人の艦娘から信頼を得ている。だから、君を選んだよ。』

司令官「いやいや、無理です。お断りします。元々いた広報部に戻してください。」

浅野『ちなみにこれは、上層部で正式に決まった事だ。君のお兄さんもこの件に賛成してくれたよ。あと、君は今日から中佐だ。また、後ろに

いる一村君と清岡君も今日から中尉に昇進だ。今度2人には、横須賀鎮守府の地上部隊の主力を担ってもらう。何か困ったらいつでも連絡してくれ。では、検討を祈ってるよ。』

司令官「いや、あのちょっと⁉︎」

プチ

清岡「切れました。」

司令官「・・・・・・・・・・。」

一村「隊長?」

司令官(あのクソ野郎ども、何勝手に決めとるじゃ!何が検討祈るだよ!こっちはぐうたらできるあの職場が気に入ってたんだよ!しかもあの

兄貴も何してくれてだよ!一生恨んでやる。)

俺はこれまでにないほど、浅野大将と兄貴を恨んだ。

こうして、勝手に昇進させられ、勝手に鎮守府の提督に任命されたのだ。


2日後

俺は今までいた広報部の荷物をまとめ、また横須賀鎮守府に来ていた。

司令官「何でこうなったんだよ。ハァ~広報部に戻りたいよ。ぐうたらしてたいよ。」

俺は提督室がある建物に向かった。

司令官「相変わらず、無駄に広いな。」

そう言いつつ提督室に向かう。

そして、提督室がある建物の前に着くと、

?「あの~、大杉中佐でしょうか?」

1人眼鏡をかけた女性が声をかけてきた。

司令官「あぁ、そうだが君は?」

大淀「紹介が遅れて申し訳ありません。軽巡洋艦の大淀です。よろしくお願いします。」

彼女を見ると、足首から膝まで沢山の傷跡が残っていた。また、彼女も藤原達の被害者なんだろう。

司令官「その足。藤原にやられたのか?」

大淀「え!はい、藤原様は私達を痛ぶる事が好きでしたから。」

司令官「どこまでクズ何だよ。アイツは。」

大淀「いえ。私達が悪いんです。まともに任務も遂行できないから。」

司令官「部下の失敗は、上官の責任でもある。お前らよく頑張ったよ。」

大淀「いえ、私達は何も・・・・・・・。」

司令官「大淀。」

大淀「はい。」

司令官「今日は休め。少なくとも当分は出撃はない。」

大淀「え!でも、そうしたら駆逐艦の子達が」

司令官「大淀、俺は人を救う事も軍人の役目だと思っている。人を傷つける軍人は、人間以下だ。藤原と木下、あの2人も人間以下だ。この際

お前に言わせてもらう。俺は、何があろうともお前達を守る。例えそれが本部の上層部を相手にすることになったとしてもだ。」

そう言うと、俺は大淀を抱きしめた。

大淀「え!?」

司令官「今まで辛かったな。だから、今は泣いてもいい。だからそんな事を言うな、俺がお前も駆逐艦の子もみんなを守ってやる。」

すると、大淀涙を流して

大杉「どうしてそこまでしてくれるんですか?」

司令官「それが今俺がお前にできる事だ。」

そっから大淀は泣いた。俺はコイツらに生きてほしい、それだけだ。


10分後

司令官「落ち着いたか?」

大淀「いえ、お手数をおかけしました。」

司令官「気にするな。じゃあ、今日は休め。」

俺が荷物を持って提督室に向かうとすると

大淀「待ってください!」

司令官「まだ、何かあるのか?」

大淀「何か、仕事をください。」

司令官「さっき言っただろ。今日は休め。これは命令だ。」

大淀「ですが・・・・・・・。」

ここままじゃ、また泣きかねない。

司令官「じゃあ、荷物を運ぶのを手伝ってくれ。」

大淀「はい!」

こうして俺は大淀ともに提督室に向かった。


提督室

俺は大淀に手伝ってもらいながら、私物を片付けていた。

大淀「提督、これどうしますか?」

俺は棚に写真を飾りながら、答えた。

司令官「あぁ、それは机の上に置いてくれ。」

大淀「分かりました。」

司令官「あっ!そうだ。大淀。」

大淀「はい、何でしょうか?」

司令官「ここにいる艦娘を全員把握しておきたい。だから、後でこの鎮守府に関する資料を全部持ってきてくれ。」

大淀「分かりました。」

すると、

コンコン

誰かがドアをノックする音が聞こえた。そして、

長門「長門だ。」

ドアの向こうから聞こえてくる。

司令官「入っていいぞ。」

ドアを開く。

長門「失礼する。」

?「失礼するわね。」

長門の後ろからもう1人入ってくる。服装は長門と同じだ。

司令官「後ろの女性は?」

長門「あぁ、会うのは初めてだな。妹の陸奥だ。」

陸奥「長門型2番艦の陸奥よ。よろしくね。」

司令官「こちらこそ、よろしく頼む。」

すると長門が、

長門「提督。」

司令官「ん?」

長門が突如頭を下げた。

長門「ありがとう。艦娘達を助けてくれて。」

司令官「気にするな。俺は任務をこなしただけだ。」

長門「だが、・・・・・・・・・・」

司令官「長門。顔を上げろ。」

そう言うと、長門が顔を上げる。

司令官「俺は、ただ当然のことをしただけだ。それより、聞いたぞ。艦娘達を守ってくれてたんだろ。」

長門「どうして⁉︎それを」

司令官「夕立や時雨、そして今ここにいる大淀が教えてくれた。」

長門「だが、私は・・・・・・・。」

司令官「長門、よくここまでみんなを守ってくれた。ありがとう。後は、俺に任せてくれ。」

長門「提督。」

司令官「長門、これからよろしく頼む。」

俺は手を差し出す。

長門「あぁ、こちらこそよろしく頼む。」

俺と長門を強く握手をした。


それからは、片付けに長門と陸奥も加わってくれた。

長門「提督これは、どうしたらいい?」

司令官「そこの棚に入れて置いてくれ。」

長門「わかった。」

一方陸奥は、俺がさっき飾った写真を見ていた。

司令官「陸奥、その写真がどうかしたか?」

陸奥「いえ、提督は沢山の仲間に恵まれたのね。」

長門も写真を見る

長門「確かに、みんな笑ってるな。」

陸奥「きっとみんな今も元気に頑張ってるでしょうね。」

司令官「そいつらは、もういねぇよ。」

長門「どう言うことだ?」

司令官「みんな戦死したよ。俺を残して」

長門「すまない。嫌なことを言わせてしまったな。」

司令官「気にするな。もう終わった事だ。それにいつまでもそのことを引きずってたら、そいつらが報われない。」

長門「辛くないのか?」

司令官「辛いよ。でも兵士と言うのはそんなもんだ。前線ならなおさらさ。誰もが覚悟する事だ。」

長門「・・・・・・・・・・。」

陸奥「・・・・・・・・・・。」

司令官「この話はおしまい。ところで明日から本格的に鎮守府を立て直すつもりだ。まずは、艦娘達のメンタルケアを行おうと思っている。」

長門「待ってくれ!それは全員か?」

司令官「当たり前だろ。」

陸奥「駆逐だけで100は超えるわ。そんなの無理よ。」

司令官「だからこそだ。今艦娘達は、今までひどい仕打ちを受けて、心が壊れかけている。中には、人間を信頼できない者もいるだろう。

俺は1人1人としっかり向き合いたい。だから、3人とも協力してほしい。」

俺は3人に頭を下げる。

長門「私は提督を信頼している。だから最後までついて行くつもりだ。」

陸奥「提督の頼みだから、断れないわね。」

大淀「私は早速艦娘に関する資料を持ってきます。」

司令官「3人ともありがとう。」


こうして鎮守府を立て直すため、本格的に俺たちは動き出すのであった。

しかし、この時は俺は知らなかった。藤原達がどれほど艦娘達に酷いことをしていたのか。


















後書き

次回藤原の悪事がわかります。
また、少しネタバレになりますが、メンタルケアがずへて終えると艦娘救出作戦編の投稿を始めます。
それが終わり次第、艦娘とのショッピング編を投稿しようと思っています。
その際に読者の皆様から主人公と一緒に行く艦娘を6名選んでいただきたいと思います。
一緒に連れて行ってほしい艦娘をコメントで募集しています。もし、コメントがない場合はこちらで勝手に決めさせていただます。あと、今後SAOのキャラ2名が登場します。お楽しみに。


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2021-11-24 14:09:42

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