デビル(司令官)と艦娘たち No.6【デビル新たな問題】
着任して1日目の夜
午後9時
提督室
現在俺は、陸奥と長門と大淀が帰ってから艦娘達の資料を1つ1つ確認していた。
司令官(やっぱり、数が多いな。そして多くの艦娘が精神的にダメージを受けている。コイツらと俺は本当に向き合えるのかな。)
俺は悩んでいた。コイツらを本当に日常の生活に導いてやれるかについて。中には、地下に連れて行かれ、長い奴で1年近く閉じ込められていた者もいる。
司令官(地下にいた奴らは、特に精神的壊れている。人間に対して心を開くのは、時間がかかるだろう。)
俺はあの時の事を思い出していた。
鎮守府を制圧した日
藤原を確保した後
俺は藤原を確保してから、すぐに地下の艦娘の救助に向かった。地下があるのは、工程エリアの長い間使われいない6番倉庫から入れる。俺は一村と清岡を連れて地下に向かった。
6番倉庫の地下入り口
俺達は地下に続く入口の前にいた。
司令官「一村。ドアを開けろ。」
一村「了解。」
一村は、拘束した憲兵から入手したカードキーを差し込む。
ピ
カードキーを差し込むとランプが光り、ゆっくりとドアが開く。
司令官「ウッ‼︎酷い匂いだ。」
ドアが空いた瞬間、強烈な異臭が漂う。
一村「この先に艦娘が?」
清岡「まだ、帝国軍の収容所の方がマシですよ。」
司令官「とにかく行くぞ。」
俺達は地下に入って行く。下に向かえば向かうほど異臭の臭いはひどくなる。
そして階段が終わり、目の前に扉が見える。
一村「開けます。」
一村が扉を開けると、そこには沢山の牢があった。一番最初の牢を覗くと、
?「ヒッ!」
中には、4人の駆逐艦の子が閉じ込められていた。服はボロボロで駆逐艦の子達は俺を見ると涙を流して、怯えていた。俺は、鍵穴のところを
パーン
C96で強引にぶち壊した。そして牢の中に入ると、
司令官「君たち大丈夫か。」
そう問いかけると、
?「ごめんなさい。ごめんなさい。」
ただ謝るだけだった。
司令官(あいつ小さな子達こんな事を)
俺は、藤原達に対してさらに殺意が増した。
司令官「もう大丈夫だ。俺たちが助けてやる。名前は?」
吹雪「吹雪です。」
司令官「吹雪か。もう大丈夫だ。藤原達は逮捕した。外に出してやる。」
吹雪「本当ですか?」
司令官「あぁ、立てるか?」
すると吹雪は顔を横に振る。足を見ると足の腱を切られた後があった。
司令官(あいら、逃げないためにこんな事を)
俺は他の子見ると、同様に足の腱を切られていた。
司令官「来い、外に連れて行ってやる。」
俺は吹雪を抱き抱える。
司令官「一村、清岡。他の子たちも連れ出してやれ。あと、上に戻ったら部下を全員呼んでこい。これじゃあ人手が足りない。」
一村「了解」
2人は返事をすると、吹雪達が牢に入って行く。
吹雪は俺が抱いてる間、ずっと泣いていた。俺は提督室がある建物前にある臨時テントのベットに連れて行く。
臨時テントの中
俺は吹雪をベットの上に寝かせる。
司令官「急いで、手当てしないと。」
すると、
?「手伝いましょうか?」
司令官「誰だ!」
明石「工作艦の明石です。こっちは助手の夕張です。」
夕張「夕張です。よろしくお願いします。」
明石「艦娘達の事は任せてもらえないでしょうか?」
司令官「できるのか?」
明石「はい!工作艦なのである程度は」
司令官「なら頼む。他にも沢山の子がいる。」
そっから俺達は、近くの空き地に臨時救護所を建て、艦娘をそこに運んだ。途中からはベットが足りなくなり、弾薬箱、ソファー、机など使える物はなんでも使った。また、艦娘を救護所まで運ぶのに時間がかかるため、Sd.Kfz.251ハーフトラックや鹵獲したLVTなどの荷台に艦娘を寝かせてある担架を乗せて救護所まで運んだ。その日、俺達は夜まで彼女達を運び手当をした。
現在に戻り
司令官(俺は彼女達を救えるのだろうか?)
俺は悩んだ。だが、やるしかないのだ。
司令官「明日から清岡と一村もここに来る。後あの3人と話し合うか。」
俺は、明日やる事を決めた。
翌日
午前5時半
俺はいつもこの時間に起きる。朝飯を食ったら、ランニングと剣の素振りをしている。
それが終われば、いつもはぐうたらしているが、今は提督だ。俺は今日やる事を確認する。
午前7時
俺は朝早くから、一村、清岡、長門、陸奥、大淀に集まってもらった。
司令官「みんなおはよ。朝から悪いな集まってもらって。今回集まってもらったのは、今後、この鎮守府でやる事を決めたい。まず、この鎮守
府での現状は、艦娘達の寝床及び俺たちとの信頼関係だ。」
清岡「確かにそうだな。」
司令官「まず、長門達から今までの寝床の環境と食事のことを聞きたい。教えてくれないか?」
長門「あぁ、別に構わない。まず、寝床は前提督が見た通りだ。私たちの部屋は基本ボロボロ。まともな部屋ではない。次に食事だが、燃料と
弾薬が私たちの食事だ。」
司令官「・・・・・・・・・・はぁ!?」
長門「なんだ?そんなに驚いて。」
司令官「いやいや、飯は米とかじゃないの?」
長門「そんな物私達には、与えられない。」
陸奥「基本は燃料と弾薬、空母ならボーキサイトも加わるわよ。」
一村「酷えメニューだ。」
清岡「むしろ、一種の拷問だろ。」
司令官「ここまで酷かったとは。仕方ねぇ、清岡、仮設住宅の準備を頼む。場所は臨時救護所を建ててある空き地ね。」
清岡「了解。」
司令官「長門、今後お前達には、事が済むまで仮設住宅に住んでもらう。あと、朝昼晩の飯はこっちが提供する。」
長門「しかし、私達は兵器だ。そんな事が・・・・・・・・・・。」
司令官「長門、お前それ言うの止めろ。兵器は喋ったりしねぇよ。お前らは、人間だ。艤装さえ無ければ、俺たちと変わらんだろ。」
長門「だが、」
司令官「これは命令だ。今日中に仮設住宅は用意するから、明日からそっちを寝床にしてもらう。飯に関しては今日の昼から提供を始める。」
陸奥「長門。ここは提督の命令に従うべきよ。」
長門「しかし。」
陸奥「もうあの提督とは、違うわ。この人は本当に私達の事を考えてくれている。」
長門「分かった陸奥。」
司令官「じゃあ、決まりな。飯ができたら呼ぶから、残りのアイツにも伝えておけ。」
こうして俺は、飯を作りに向かった。
一村「昼飯は何にしますか?」
司令官「さあ、ペッパーランチでいいじゃね。あれ作るの簡単だけど、美味いし。」
一村「そうですね。それにしますか。」
俺達はさっさと厨房に向かう。
厨房
俺は一村と共に昼飯の準備をしていた。すると
?「失礼します。」
誰かが厨房に入ってきた。
一村「どちら様ですか?」
鳳翔「勝手に入ってすみません。私軽空母鳳翔と言います。こちらで提督が料理をしていると聞いたので。」
司令官「あぁ、今から作るところ。」
鳳翔「手伝ってもよろしいでしょうか?」
司令官「別にいいよ。と言うか、むしろ助かる。」
鳳翔「では、お言葉に甘えて。」
鳳翔が俺の隣に来る。
鳳翔「何を作るのですか?」
司令官「ん。ペッパーランチ。」
鳳翔「ペッパーランチ?」
司令官「そう。ご飯の上にとうもろこしと肉とバターとネギをのせて、焼肉のタレと黒胡椒で炒めたもの」
鳳翔「美味しそうですね。私でも作れますか?」
司令官「誰だって作れるよ。」
鳳翔「作り方を見てもいいですか?」
司令官「いいぜ。」
一村「隊長。これ何合炊けばいいですか?」
司令官「とりあえず10合。」
一村「分かりました。」
鳳翔「私は何をしたらいいですか?」
司令官「牛肉ととうもろこしとネギやバターを準備しておいて。あとホットプレートを温めておいて。」
鳳翔「分かりました。」
それからは、3人で大急ぎで作った。
そして、12時
艦娘達が臨時食堂に集まってきた。
司令官「だいぶ集まったな。」
鳳翔「ふふ、そうですね。」
一村「隊長、俺少し休んできます。」
司令官「OK」
そう言うと、一村は臨時食堂から出て行った。
司令官「じゃあ鳳翔これ運んでくれないか?」
鳳翔「はい、分かりました。」
司令官「あと、鳳翔。」
鳳翔「はい、何でしょうか?」
司令官「今回俺が飯を作った事は、黙っておいてほしい。」
鳳翔「何故ですか⁉︎」
司令官「今はほとんどの艦娘は、人間を信頼できない状況だ。もし俺が作った事が知られたら、毒を入れられたと思って食べないかもしれな
い。」
鳳翔「ですが、それでは提督が。」
司令官「安心しろ。今だけだ。いづれちゃんとアイツらにも話す。だから今は、鳳翔、お前が作った事にしてくれ。」
鳳翔「そこまで、提督が言うなら、そうしますが。」
司令官「それに、救護所にいる奴の所にも、持ってやらねえと。」
鳳翔「本当に優しいんですね。」
司令官「それじゃあ、ここは任せるぞ。」
そう言って俺は臨時食堂を後にする。
臨時救護所
俺はある人物のところに向かった
司令官「吹雪いるか?」
吹雪「た、隊長さん⁉︎」
俺は吹雪の所を訪れた。吹雪は、一緒に牢に入れられていた、白雪、初雪、叢雲と共に今はここで入院している。
司令官「他の3人は?」
吹雪「今日はまだ、起きてないんです。」
奥を見ると、3人がそれぞれのベットの上で寝ていた。
司令官「そうか。足は大丈夫か?」
吹雪「はい、もう大丈夫です。ですが、歩ける様になるには少し時間がかかると明石さんが。」
司令官「飯を持ってきたけど、食うか?」
吹雪「ありがとうございます。いただきます。」
司令官「鳳翔が作ってくれたんだ。美味いぞ。」
吹雪「・・・・・・・・・・。」
司令官「どうかしたか?」
吹雪「嘘ですよね。本当は、隊長さんが作ってくれたんですよね。」
司令官「どうして俺が作ったと思うんだ?」
吹雪「何となくです。初めて隊長さんと会って、地下から連れ出してくれた時、人間の優しさを初めて知りました。」
司令官「・・・・・・・・・・。」
吹雪「私は、連続で敗北が続いたため、地下行きになりました。地下に連行されたら真っ先に足の腱を切切られました最初は、姉妹の白雪ちゃん達が無事ならそれでいいと思いました。だけど、私が幽閉されて、3日後には白雪ちゃんも足の腱を切られた状態で、同じ牢に入れられました。それから、初雪ちゃんも叢雲ちゃんも同じように一緒の牢に入れられました。私は、誰かがきっと助けてくれると信じていました。でも、誰も助けてくれるどころか、私達に対して暴言や暴力を振るってきました。そのうち、私は・・・もう誰も助けてくれないじゃないかと思うようになって、怖かった。このまま、暗い地下で死ぬんだと思ったんです。」
吹雪は泣きながら、話してくれた。俺は吹雪をそっと抱きしめた。
司令官「すまない。怖い思いをさせてしまったな。」
吹雪「でも・・・隊長さんが悪いわけでは。」
司令官「もっと早く気づくべきだった。すまない、遅くなってしまって。」
この後も吹雪は泣き続けた。でも、俺はその苦しみを背負ってやらないといけないと思った。
数分後、
司令官「もう、大丈夫か?」
吹雪「はい、ご迷惑をおかけしました。」
司令官「地下にいた間、他に何か見たか?」
吹雪「1つだけあります。」
司令官「教えてくれないか?」
吹雪「はい、あれは私達が一緒の牢に入れられて、数日経ったある日、地下にいた憲兵から聞いたんです。」
司令官「どんな、内容だった?」
吹雪「艦娘を人身売買すると、聞いたんです。」
司令官「‼︎」
吹雪「確か、2ヶ月前だったと思います。」
司令官「吹雪、その話を聞いてから、誰か連れ行かれなかったか?」
吹雪「確か、神通さんに那珂さんそして羽黒さん。後、照月ちゃんと涼月ちゃんが外に連れ行かれたのを覚えています。」
司令官「それからは、その子達は帰ってきたかい?」
吹雪「いえ、帰ってきませんでした。てっきり地上に戻れたと思っていました。」
司令官「吹雪、教えてくれてありがとう。あと、今後この鎮守府の提督は俺だ。よろしく頼む。」
吹雪「えっ!隊長さんが⁉︎」
司令官「今は足の事を優先しろ。」
吹雪「はい。分かりました。」
その後、俺は救護所を出た。
司令官「もし、吹雪の話が本当なら。急いで確認しよう。」
俺は急いで、提督室に戻った。
続く
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