女の都
暇だから描いてみた
即興だから割とがばがば
私は、女しかいない町に住んでいる。
厳密には人口50万程の市なのだがそこら辺はまあいいわね。
先ほど『女しかいない町』と書いたけど、これは比喩でも誇大表現でもなくて本当に女しかいない。
この町が、今の市長とその取り巻きによって作られてからまだ10年しかたっていないけれどこの街に外から入ってきた男性は100に満たない。
それもそのはず。この町は外周をぐるりと壁に覆われていて、その上で女性警備員が四六時中見回っているのだから。
しかもなまじ人口が多いため広い外周だ。とてつもない人数がそこで働いている。
ちなみに侵入しようとした人たちがどうなったか…というと。
ここの市長達が議会のようなもので決めた条例によって厳重に裁かれた。
見せしめに外壁につるすこともあれば、悪質な場合(町の人に手を出した等)即刻首はね死体焼却だった。
少なくとも無事に帰れた人はいない。
一見町の中を見るとほとんど他の町と風景は変わらない。ビルもあるし電車も走っている。畑も公園も住宅街だってある。
10年女だけでこんな町が作れるはずもなく。もちろん昔あった街を国の許可の元、接収?買い取り?とりあえず元住民から取り上げたのだ。
そのころからこの地に住んでいる女性はそのまま同じ場所に住むかほかの場所へ転居していった。
では男性は?
あのご時世『女性の安心のため』という錦の御旗に逆らえるはずもなく(逆らったら最後社会的な死は確定したようなものだからだ)
少ない立退料を払われて外の町へサヨナラだ。
今の市長たちは割と過激な人々だと思う。
国も例の錦の御旗を割ともっともな理由をつけて掲げられてしまえば拒否することなどできなかった。
拒否したが最後、国内外からたたかれるのは目に見えているからだ。
少なくとも国外の声を聴く必要はないと思うけれど。
もちろんこの町の学校はすべて女子高だ。
男の教師、用務員などすべてにおいていなく女性だ。
大学もいくつかあるが、やはり最高の学校へ行きたければ町の外に出るしかない。
別に町の外に引っ越すのに特別な申請は必要なく、普通の手続きで出入できる。
ただ、女しかいない町からいきなり普通に男性がいる町に引っ越すのはなかなか難しいんじゃないだろうかなぁ…と思う。
私ももう少しで外の大学に行こうと思っているからそこら辺は考えなきゃないと思っている。
さて、軽く私の高校の話しをしようかしら。
と言っても普通の女子高としか言いようがないけれど。しいて言うなら学内に派閥があることくらいかしら。
正直学内でそのようなことをしても意味はないと思うけれど彼女たちの争点は『男』というものについてらしいわ。
片や男女差別は女だけが被害者ではないぐグループ片や完全に男が悪いというグループ。
いったいどちらが正しいのかは私には判定はできないけれど、学内で強いのは生徒会長率いる前者…ただ市の考えとは会っていないから立場的にはどっこいどっこいかしらね。
私の高校はこんな派閥こそあれどまだましなほうだ。
ほかの高校ではもっと過激な人たちも当然いる。
男を奴隷や労働力、ATMとしか見てないような人たちもいっぱいいるのではないのかしら。
そうだ、男といえば
赤ちゃんの処遇がこの町では特殊だ。
女の子が生まれたならそのまま育てることができるが、男の子の場合基本的には殺されてしまう。
正直そこまで徹底する必要はあるのかと思うけど…ほとんどの人がそれでいいと思ってるようだからしょうがない…。
私的にはこれは社会問題?のようなものととらえられてるけど、この町では当たり前なのよね。
それよりも社会問題としては、ごみの処理や力仕事関係の方で多いわね。
ごみに関しては、当然汚いものを触る仕事だからやる人が少なくてすべてのごみを回収することはなかなか難しいというのが現状だ。
だから当然町のところどころにはごみが放置されていてあんまり治安よさそうに思えない。
ただ、お金持ちのところは割と優先されてるみたいであんまりなにも落ちてない。
お金はやっぱり大切なんだなぁ…。
話がそれた
結局治安悪いところは男が消えてもなくならなかったみたい。
かえって陰湿な感じになってるとも思うし…ほんとにこのままでいいのかとは思う。
私にはまだ権力も何もないから行動ができないけれど。
結局。
痴漢とかDVとかはなくなったけれど、それと同じくらい問題は出てきてるわね。
フェミニストみたいな人達には楽園に思えるらしいけどね。
さて、そろそろご飯の時間だから日記をやめましょ。また明日。
母親に呼ばれ、ご飯を食べにリビングへ行くとおいしそうな料理が広がっていた。
「いただきます」
一口食べただけでわかる。どの料理もおいしくてほっとする。
おいしい料理に舌鼓を打って自室に戻る。
最近はよく、将来のことを想像することが多くなった。
日記には書き切れないほどいろいろ考えている。
だが、いろいろ考えているうちに眠くなってくる。
次に目を開けたときには外が仄かに明るかった。
「…朝…か」
「あのまま眠っちゃったのか…」
時計は0730を指している。
「やばっ!こんな時間じゃん!用意しなきゃ」
慌てて着替えて身なりを整えて学校へ向かう。
「いってきま~す!」
「はいはい行ってらっしゃい」
私の通っている高校はわりかし校則が緩いからそこまで急ぐ必要はないけれどそれでも焦ってしまう。
駅に着くといつも一緒に行っている友達が待っていた。
「も~遅いよ~」
「ごめんごめん…寝坊しちゃってさ」
「寝坊多いなぁ…まぁいいけどさ」
設定が斬新で続きが読みたくなる内容でした。
監視の目を掻い潜る男の物語だったり、市長の暗い過去話だったり、頭の中で色んな想像が膨らみますね。