過去は過去、今は今。 (過去編、最終話)
過去編、終了です。
最近、黒塗りの自転車で思いっきり足を踏んでしまい、足がクッソ痛かったです。
執務室内には、重い空気が漂い続けていた。
優斗「…」
白露「…」
優斗と茜は、優香たちの過去が載っている資料に目を通している。
資料を見るたびに、優斗と茜の表情が曇ったりする。
全員分の資料を見終わった後、優斗は上を向き大きく息を吐いた。
優斗「胃が破壊されるかと思ったぞ…」
白露「みんなの過去って、こんなにも重かったの…?」
時雨「まぁ、僕たちは記憶処理のおかげでこれを見るまでは、きれいさっぱり忘れてたけれどもね」
優斗「記憶処理する必要って…。いや、あるわな」
村雨「まぁ、私の片目の色が昔から違う理由ってこれだったのね…」
夕立「…」
村雨「そんなに気にしてないから、そこまで落ち込まなくてもいいのよ、咲?」
夕立「ぽい…」
春雨「私って深海棲艦だったんですね…」
五月雨「いや、完全な深海棲艦ではないから大丈夫だよ!?」
海風「思い出したくない記憶ってあったりするんですね…」
山風「うん…」
江風「けども、あれは…」
涼風「まぁ、うん…」
全員のテンションが著しく低くなっている。
執務室内の空気を普通の人が吸ったら、多分具合が悪くなるレベルでヤバい事になっている。
優斗「あれ? もう一枚資料が…」
もう一枚ある、資料を見ようとすると優斗の手首を咲が掴んだ。
優斗「ちょ、急になんだよ…」
夕立「それは…。優斗は見ない事をオススメするっぽい」
優斗「いや、なんでだよ。なんか俺に支障をきたす物なのか?」
夕立「まぁ、そう…、ぽい」
優斗「まぁ、見るけれども」
優斗が、開いてる方の片手で資料を掴んだ。
咲や、優香らは不安そうな顔で優斗の方を見ていた。
優斗「えっと…。これって、俺の親の…艦隊内訳?」
その資料には今は亡き、優斗の父親が率いていた艦隊に所属していた艦娘の情報が載っていた。
優斗「…え」
そこに載っていた名前は、全て見覚えのある名前だった。
西村、夕雨、桜護、雨崎、海原、山谷、江野、涼町…。
そう、全て優香たちの苗字と一致する。それと同時に脳内に嫌な予感が伝う。
優斗「な、なぁ、優香…。もしかして、ここに載ってる艦娘って…」
時雨「…。優斗の予想通りだよ。僕たちの…。母親だよ。全員」
優斗「じゃ、じゃあ、俺の親は…」
俺の親は、優香たちの親を殺したって事に…?
いや、考えすぎ…? いや、俺の親はみんなを守るため…。
いや、結局は俺の親は…。
守り切れてねぇ。
じゃあ、優香たちは…。
背中に、冷や汗がつたう。優香たちの方を見る。
いつもなら、何とでもないはずだが、この時だけは恐ろしい程の恐怖を感じた。
もしかしたら、優香たちは俺の事を憎んでいるのではないか、と考えてしまったからだ。
急に逃げ出したくなった。今にでもここから逃げ出したい。そうじゃなければ、殺される。
そんな思考回路になってしまっていた。
足が震える。立ってられなくなる。腰から下が動かない。
優斗「あ、あ…」
優香たちが、ゆっくりとこっちに歩いてくる。
逃げようとしてもがくが、全然動かない。少しづつ、近づいてくる。
茜が、こっちに来て俺に何か言っているがまったく耳に入らない。もはや恐怖で思考回路も働いていない。
優斗「あ、謝るから…。お願いだから…」
声にならない声をあげて優香たちに言う。
俺の目の前に優香がしゃがみ込んでくる。殺される、そう思った。けれども、返ってきたのは以外な言葉だった。
時雨「急にどうしたの? そんなに怯えて」
優斗「…は?」
時雨「もしかして、僕たちが何かしてくると思ってた?」
優斗「え? …え?」
時雨「僕たちの親が、優斗の親の所為で死んだなんて誰も思ってないよ」
村雨「そもそも、親にはもう会えない事はもう分かってるしね」
優斗 ( ゚д゚)ポカーン
白露「2人とも…。ゆーくんが混乱してフリーズしちゃってるんだけども…」
村雨「ありゃりゃ…」
優斗 ( ゚д゚)ポカーン
白露「おーい、ゆーくーん!! 戻ってきてー!!」
優斗「はっ!? なんか色々と頭に入ってきた所為で訳分かんなくなってたぞ」
時雨「まぁ、とりあえず…。みんなは、誰一人として優斗に憎いとか、何かしたいとかは思ってないから…」
優斗「そ、そうか…。良かった…」
村雨「もしかして、殺されるとでも思ってた?」
優斗「まぁ、うん…」
村雨「そんな事するわけないでしょ…」
白露「まぁ、過去は過去、今は今って事で…。この話はもう終わりにしよっ? なんか、空気も悪いし…」
優斗「そだな。じゃあ、買い物でも行くか…。あ、誰かついて来る?」
白露「あ、行く行くー!!」
時雨「じゃあ、僕も行こうかな…」
村雨「私も行こうかな♪」
夕立「暇だから私も行くっぽい!」
春雨「じゃ、じゃあ、私も!!」
五月雨「私も行きます!!」
海風「なら、私も…」
山風「七海お姉ちゃんが行くなら…」
江風「暇だから私も付いて行くぜー」
涼風「やる事もないしなー、行くか!」
優斗「結局全員来るじゃねーか…」
誰かを置いて行くわけにもいかないので、全員を連れて行く事になった。
まぁ、全員なんかで行ったら何かしら起きるのがオチなんですがね。
ーー移動後、店にてーー
優斗「じゃ、全員一旦解散ー」
白露型「はーい」
優斗「さて、なんか安くなってねぇかな…」
優斗が、そこら辺をウロウロしながら商品を見ている。
時雨「あ、コレいいかも…」
夕立「こっちもいいっぽい?」
村雨「いや、こっちのほうが…」
一方、優香、由衣、咲は服屋に入って服を見ていた。
白露「こっちもありだけども…。あー、でも…」
海風「これは…。迷いますね…」
山風「選べない…」
春雨「どうしてスイーツっていうものは、こんなにも私たちを悩ませるんでしょうか…」
茜、春香、七海、里奈はケーキ屋で思いっきり悩んでいた。
五月雨「これがこれで…。あれ?」
江風「何やってんだ、姉貴…」
涼風「どうして操作方法通りにやってそうなるんだよ…」
愛海、愛香、鈴奈は、ゲームセンターでクレーンゲームをやっていたのだが、なぜか愛海がやるとよく分からない所にアームが引っかかったりしていた。
時雨「買い物はこれで終わりっと…。あれ? 福引?」
優香らが服を買い終わった後、貰ったレシートに福引券が付いているのに気が付いた。
村雨「どうせなら、引いてみれば?」
夕立「優香がやったら、何かしらいいモノが当たりそうっぽい」
時雨「流石にそれはないでしょ…。とりあえず、引いて来るよ」
優香が、福引を受けに行く。後ろで由衣と咲が、それを見守る。
結果は…。まぁ、予想通りだった。
時雨「あれ…? 1等?」
夕立「やっぱりこうなったっぽい」
村雨「なんとなく予想がついてたけどもね…」
優香が、片手に何かの券を持ったまま戻ってきた。
村雨「で、何が当たったの?」
時雨「有名な温泉旅館のチケットだってさ。まぁ、2人分しかないけどもね…」
夕立「それじゃ、みんなで奪い合いになっちゃうっぽい」
時雨「いや、これはお姉ちゃんたちにでもあげようと思う」
村雨「そういえば、あの2人って新婚旅行とか行けてないみたいだしね…」
夕立「それじゃ、2人に早速あげるっぽい!」
後に、この旅行券は2人にとって忘れられないモノになるのだが…。
その話は、また次回に。
旅行編に続く。
まさかの続きます。
あと、黒塗りの高級車に最近ひかれかけました。クルルァって怖い。
おいゴルァ(ryですね分かります
※1
黒塗りの高級車を見たら、逃げた方がいいんですかね?
あ、やっべ。ガシャン!!
??「おいゴラァ!!」