2022-06-15 13:06:15 更新

前書き

今回で30話になりました。今まで、頑張ってこれたのも皆様のご愛読及び応援メッセージがあったからです。今回30話においては主人公の4年前の過去が明らかになります。それではどうぞ!!


20○○年10月○日

午前9時

東京第1連邦基地


浅野元帥から、連邦祭を開くよう命令されてから、早くも1ヶ月が経過した。俺たちは、あれから毎日祭りにおいての店やイベントなどを考え、調整を繰り返した。艦娘たちは、それぞれの店で出す食べ物のメニューを考えてくれたり、基地の装飾などを頑張ってくれた。また、他の者たちも買い出しや、実弾演習の準備を頑張ってくれた。おかげで、祭りの準備は順調に進んだ。そして、今日。ついに、連邦祭が開催される。そして、今基地の正門前には、多くの人々が今か今かと門の前に集まり待っていた。そして遂に、

『これより、連邦祭を開催します。』

とアナウンスが流れ、正門が開く。それと同時に次々と人々が入ってくる。今回、各場所では色々な店やイベントがある。第1格納庫では、アメリカのM4シャーマン、イギリスのチャーチルMk.Ⅶ歩兵戦車、フランスのソミュアS35が展示されていた。ここに展示されいる戦車には、実際乗車することができる。また、第2格納庫では、俺のティーガーや、ティーガーⅡ、パンター、イタリアのM40、ソ連のT-34が同様に展示されいた。他にも、滑走路では、各国の戦闘機や爆撃機、重戦闘機。軍港では、数隻の軍艦が展示されている。こんな沢山の兵器がある中、俺の俺のティーガーや零戦には、多くの人が観に来ており、乗車に関しては普通に1時間くらい並ばなければならない状態だった。そんな中俺は、

「きゃあああああ、一緒に写真を撮ってください!!」

「サインお願いします。」

「是非、戦闘でのお話を聞かせてください。」

と一般客の質問攻めにあっていた。そんな状況に俺は、

司令官「すいません!!俺にも他の用事があるので!!」

と逃げることしか出来なかった。


午前10時

あれから、俺は1人でみんなの店を見て回っていた。すると、

吹雪「あっ、司令官!!」

と和風メイド服姿の吹雪と会う。

司令官「よ、吹雪。お前らはメイド喫茶か。」

吹雪「はい。川内さん達や睦月ちゃんや夕立ちゃん達と一緒にやってます。司令官も是非。」

司令官「ああ、じゃあちょっと寄って行こうか。」

吹雪「分かりました。それでは、ついてきて下さい。」

そう言われると、俺は吹雪について行く。


そして、

司令官「和風喫茶《桜》」

吹雪について行くこと、5分くらいすると、吹雪は基地の一室にたどり着いた。そこには、いかにもザ、和風という感じがする店があった。しかも、店の前には長蛇列ができていた。すると、

吹雪「司令官が来てくれました。」

と吹雪がみんなに伝える。そして、

吹雪「司令官。どうぞ。」

と席に着く。

そして、2分ほど経つと、

?「お待たせしました。司令官。」

と聞き覚えのある声が聞こえてくる。俺は、その声が聞こえてきた方を見ると、

司令官「おう、似合ってるじゃん。神通。」

吹雪と同じ服装をした神通の姿があった。

神通「そ、そうでしょうか。」

司令官「うん。とても、似合ってて可愛いよ。」

神通「・・・・////。」

神通は恥ずかしいのか、顔が一気に赤くなる。

司令官「それで、このお店のオススメは何かな。」

と神通にオススメを教えてもらった後、俺は和風パスタと抹茶パフェを注文した。もちろん、全て神通のオススメだ。そして、全て食べ終わった後、

司令官「じゃあ、俺は別の所も回るよ。ご馳走様。」

と言って俺は店を後にしようとすると、

神通「提督。」

と呼び止められる。

司令官「ん?」

神通「私でよければ、どこかのタイミングで私と連邦祭をまわってくれませんか。」

司令官「良いよ。」

と返事をする。

神通「あ、ありがとうございます。」

と神通がお礼を言う。しかし、それと同時に神通の後ろからとてつもない殺気を放つ女性が出てきた。

椿「あれれ、神通ちゃん。それはどうかと思うなぁ。」

司令官「つ、椿!?お前、居たの?」

椿も神通や吹雪と同様に和風メイドの服装をしていた。

椿「居たよ。ずっとキッチンの方で仕事をしてたんだよ。勇人君が来た時、私が対応しようと思ったんだけど、神通ちゃんにジャンケンで負けちゃったからね。だから、勇人君の対応ができなかったの。あぁ、せっかく勇人君が来てくれたのに〜。」

神通「言いましたよね。恨みっこなしって。」

椿「うん。確かに言ったよ。でもね。それとこれとは違うと思うんだ。第一にこの連邦祭の前に言ったよね。抜け駆けは無しだって。」

神通「そう言う椿さんもどこかのタイミングで司令官を誘おうと考えていたんじゃないですか。その時点で抜け駆けしようと考えていたんじゃないですか。」

椿「神通ちゃんに言われたくはないかなぁ。現に今、抜け駆けをしてたんだから。」

神通「抜け駆けではないと思いますよ。私はただ、司令官を誘っただけですから。」

椿「一緒だと思うんだよねえ。」

と2人ともヤバいほどの殺気を放っている。流石に、ヤバいので俺は、

司令官「分かった。分かった。2人とも一緒に付き合ってやるから。一旦、その殺気をどうにかにしろ。」

と言う。

その後、なんとか俺の説得もあり2人の喧嘩は避けられた。こうして、連邦祭が何事もなく終わってくれるとそう信じていた。しかし、その願いはあっけなく壊された。


連邦祭開催から、2日目

10月○日 午前10時


今日は、朝から俺はこの連邦祭において、トラブルがないか見回りを行っていた。このようなイベントほどトラブルはよく起きる。迷子、落とし物、迷惑行為。初日からこのような問題が既に50件近くきている。勿論、このような事態に備えて巡回班をまわしている。一村、清岡、林の部隊に交代で担当してもらっている。しかし、それでも見落としがあるかもしれないので、俺も自主的にこうして見回りをしているのだ。そして、早速

女の子「うぇ〜ん。お母さん。どこ。」

早速、迷子の女の子を見つける。俺は、早速女の子の元に駆け寄り、

司令官「大丈夫か。お母さんとはぐれたのか。」

女の子「・・・・・・うん。」

司令官「じゃあ、お兄ちゃんと一緒にお母さんを待とうか。」

女の子「・・・・うん。」

そう言うと、俺は女の子の手を繋いで、迷子センターへと向かった。念には念をと、今回の連邦祭には、緊急用の診療所と迷子センターなどといった施設も臨時で設けている。そして、俺はそこに向かった。その途中、

女の子「ねぇ、お兄ちゃんってよくテレビに出てるよね。」

と聞かれた。

司令官「あぁ。やっぱり知ってたか。」

女の子「うん。いつも、日本の国を守ってくれてるだよね。」

司令官「よく知ってるな。」

女の子「昔、お父さんも同じ仕事をしてたから。」

司令官「そうか。そのお父さんも連邦軍で仕事してるのか。」

女の子「うん。昔はね。今は、もう居ないから・・・・。」

司令官「なんでだ。」

女の子「死んじゃったから・・・・・。」

司令官「そうか。お父さんの名前は、なんて言うんだ。」

俺は、興味本位で聞いてみた。すると、

女の子「道長勘助。」

司令官「!!」

その名前を聞いた瞬間、俺は驚いた。この兵士の名は、俺が忘れてはならない兵士の名前だったからだ。そして、俺はそのまま女の子と共に迷子センターへと向かった。


午前10時23分

あれから、俺は女の子を連れて迷子センターに着き、アナウンスで女の子のお母さんを呼び出してもらった。そして、アナウンスがあってから10分近く経つと、

?「ちさき!!」

と一人の女性が迷子センターにやって来た。それに女の子は、気づくと

女の子「お母さん。」

と駆け寄る。そして、

女の子「お母さん。」

と女の子は母親に抱きつく。その後を追い、俺もその女の子の母親の元に向かう。すると、

女の子「このお兄ちゃんが助けてくれたの。」

と女の子が俺に向かって指を指す。すると、俺のその女の子の母親と目が合う。

そして、俺は、

司令官「お久しぶりです。咲さん。」

と頭を下げる。そう。俺と彼女は知り合いなのだ。

その後、俺は彼女と少し話す事にした。


午前10時37分

俺と彼女は、彼女の子供をふれあい体験ができる場所に預けて2人で話す事にした。

咲「最近、よくニュースで耳にしてます。元夫の上官がこんなに成長された聞くと、夫もさぞかし喜んでいると思います。」

司令官「・・・・・咲さん。俺を恨んでますか。」

咲「・・・・・。」

司令官「俺は、今でも後悔してます。4年前のあの日、死ぬべきなの俺でした。上官として部下を守って死ぬ。それが、本来部隊を率いる者としての勤めです。なのに、俺は生き残って、貴方の旦那さんである勘助一頭兵は戦死した。最近、思うんです。勘助一等兵は、俺に生きる大切さ教えてくれました。俺は、その言葉を胸に今まで生きてきました。でも、ここ最近部下を再び持ってから感じるんです。俺が生きてなんになると。死ぬべき俺が生き残って、生きるべき勘助一等兵やみんなが死にました。」

咲「夫は、家に帰ってくる度に、話してました。貴方こそがこの戦争を終わらせる人間だと。夫はきっと貴方を信じて亡くなったと思います。だから、夫のためにも前を向いて下さい。私から言える事はこれだけです。」

そうい言うと、咲さんは去ってしまった。

司令官「・・・・・クッ。」

その後、俺は数十分間1人で考えた後、見回りに戻った。


午後12時21分

昨日に続き今日もこの時間になると多くの来客が昼食をとる。そんな中、俺も昼食を取ろうとウロウロしていると、

大淀「提督!!」

大淀が走って俺の元に来る。

司令官「どうした?大淀。」

大淀「至急、執務室に来てください。」

そう言うわれると、俺はすぐに執務室に向かった。


午後12時30分

執務室

ガチャ

司令官「ち、何だよ。急用って。」

俺は、急いで執務室に入る。

すると、そこには

?「お久しぶりです。」

司令官「な、何でお前がここに・・・・・。」

俺は、驚きを隠せなかった。何故なら、そこには俺がよく知る人物がいたからだ。

?「兄さん。」

司令官「・・・・胡桃。」

そこには、俺と同じ日に生まれた妹である胡桃の姿があったからだ。

司令官「久しぶりだな。」

胡桃「えぇ、2年ぶりてすね。」

司令官「あぁ・・・ばぁばは元気か。」

胡桃「えぇ、とてもお元気ですよ。」

司令官「それで、今日は何の用だ。」

胡桃「これをお渡しに来ました。」

胡桃は、そう言うと俺に1枚の紙を渡す。

俺は、その紙を見るとそこには驚きの内容が書かれていた。

司令官「お前が・・・・この基地に配属。」

胡桃「はい。この度、大杉大佐の元に配属される事になりました。」

司令官「いつ、従軍した。」

胡桃「1年前です。」

司令官「何故、今まで黙ってた!!」

俺は、許せなかった。俺は、妹の胡桃だけには軍に入ってほしくなかったからだ。胡桃は、14年前の沖縄侵攻で母を目の前で亡くした事がショックで、一時精神的に心を病んでしまったのだ。その時の胡桃の姿を俺は今でも覚えている。だから、胡桃が軍に入らなくていいように俺は必死に頑張ってきた。だから、胡桃が君に入ったことを俺は許せなかった。

司令官「俺は言ったはずだ。軍には、入るなと!!」

胡桃「兄さんに何が分かるんですか。」

司令官「!!」

胡桃「お母様を目の前で失った時、私が辛かったか。私の学校の同級生の殆どが兵士になっているんですよ。皆、家族を守るために。そんな光景を知っておきながら、私には安全なところで見てろと。私だって帝国が憎い。お父様とお母様をを奪ったあの帝国が。だから、私も戦うと決めたんです。例え、兄さんにどれほど否定されようと私は自分で決めた道を進みます。それでは、失礼します。」

そう言うと、胡桃は執務室を出て行った。

司令官「ハァ・・・・。」

俺は、ため息をつきながら紙を見る。紙には、配属証明及び胡桃の経歴が書かれていた。胡桃は、確かに訓練学校においては成績優秀で、学校からも認められ、現在は少佐となっている。しかし、未だに実戦の経験がなかった。訓練学校での訓練は実戦では殆ど役に立たない。訓練通りに動いていれば確実に死ぬ。これが現実なのだ。

司令官「こんな、戦争がいつまで続くんだよ。」

俺は、思った。この戦争が始まってから18年。今や、帝国の進撃速度はとてつもない速さだ。ヨーロッパでは、イギリスとイタリア以外の殆どの国が降伏。ロシアも主要都市を殆ど奪われ、正規軍もゲリラ戦でどうにか帝国を引き止めているがいつまで持つかもわからない。アメリカも太平洋と大西洋の制海権の殆どを失った。大西洋では、帝国軍の潜水艦や駆逐艦があらゆる所にいる。そして、太平洋にはあの巨大空母がいる。簡単にはいかない。そして、俺がいる日本でも正直厳しい状況だ。度重なる戦闘。物資の少なさ。中国戦線においての帝国の脅威。今まで、何も考えずに戦って勝ってきたが、こんなのは本当に運が良かっただけなのかもしれない。このままでは、また4年前と同じ事になるのではないかと。


4年前、

中国

あの時、俺は初めて隊長として出撃した。まだ、14歳の俺が歳上である20から30代の兵士21人を連れて帝国を食い止めるべく、目的地へと進軍する。

司令官「・・・・・・。」

スタスタ

その時、中国では雪が降っており、寒い中俺たちはただ黙って進軍を続けた。

そして、

目的地である防衛地点に着くと、

司令官「全員、休め。20分の休憩後、ここに防衛陣地を造る。各員、しっかりと休憩を取れ。」

俺は、部下に指示を出すと、近く木の根元に座り込み、装備していたG43を点検する。すると、

?「隊長。また、武器の点検ですか。」

と1人の男性が声をかけてくる。

司令官「道長一等兵。」

道長勘助。37歳。戦争が始まる前から連邦軍に所属しており、今ではベテランの兵士でもある

勘助「隊長。いつも、そうやって武器の点検をしてますが、他にやる事ないんですか。せめて、親御さんに手紙でも・・・・。」

司令官「両親はいない。沖縄侵攻の時に死んだ。居るのは、兄弟だけだ。」

勘助「へぇ~。俺には、妻も娘もいます。見てください。」

そう言いながら、勘助は写真を渡してくる。俺は、写真を手に取る。

司令官「娘さんは、いくつなんだ。」

勘助「4歳です。後、2年もすれば、小学生です。ですから、まだ俺は死ねません。俺はこれからもこの子の成長を見届けたい。」

司令官「なら、死ぬな。お前は、俺と違って帰りを待っている人がいるんだから。」

勘助「隊長にもできますよ。そのうちにね。」

司令官「フン。できたらな。」

そんな、話をした日から2日後、


20○○年○月○日 午前7時

雪が降り積もった山の斜面から俺たちは、顔を少し足して、斜面の下にある道の先には帝国軍2個小隊と4両のSpkz251が列をなして進軍していた。そして、俺は同様の命令を受けていたもう1つの味方小隊に無線で連絡をとる。

司令官「こちら、第114歩兵小隊。110小隊。予定通り、目標に対して攻撃を行う。準備はいいか。」

第110小隊隊長『了解した。こちらもいつでも大丈夫だ。』

司令官「了解。合図を待て。」

そういうと、俺はジェスチャーで斜面のふもとに隠れている勘助1等兵に合図を出す。すると勘助1等兵は、パンッアーシュレックを装甲車に構える。そして、

ピューン

ヒューン

ズドーン

勘助1等兵が放ったパンッアーシュレックのロケット弾は、見事に先頭を進軍していたSpkz 251のエンジン部分に命中する。そして、俺は

司令官「ってー!!」

と指示を出す。それと同時に

バババババババババババババ

俺の部下である嵜本が敵の敵歩兵に向かってMG42の弾をばら撒く。

敵兵「グハッ」

敵兵「グホッ」

隠れる場所がない敵兵達は次々に倒れていく。そして、他の兵士たちも

ダァーン

ダァーン

ダァーン

次々に敵兵に対して狙いを定めて撃っていく。

そして、10分後には

敵兵「後退!!後退!!!」

と次々に撤退していった。

それを見た部下達は、

兵士「よっしゃー!!奴ら、後退していくぞ!!」

兵士「ざまぁーみやがれ!!」

兵士「連邦を舐めるな!!」

と喜び合う。そして、勘助1等兵は俺に近づき、

勘助「やりましたね。隊長。」

司令官「あぁ、だが油断はできない。まだ、来るはずだ。再度、弾の確認をしておけ。」

勘助「了解。」

と指示を冷静に出したが、俺も正直歓喜に満ちていた。初めて部隊を率いて勝利をおさめたのだ。嬉しくてたまらなかった。だが、これは俺は甘かった。この日から3日間、敵は7回も進軍をしてきた。しかし、俺たちはこれを全て押し返した。だが、4日目の朝


○月○日

午前8時

ズドーン

ズドーン

ズドーン

突如、爆発音が鳴り響く。

司令官「何事だ!!」

俺は、急いで防衛陣地から身を乗り出して、辺りを確認する。すると、

勘助「隊長!!伏せて下さい!!」

と勘助1等兵が俺の頭を強引に下げてくる。

司令官「道長1等兵!!何事だ!!」

勘助「敵の砲撃です!!どうやら、敵に陣地を見つけられたみたいです!!」

司令官「クソッ!!」

そして、この砲撃はその後も10分間続いた。そして、俺は砲撃が終わるとすぐに無線を取り、110小隊に連絡をとる。

司令官「こちら、114小隊。110小隊。そちらの被害を確認したい。」

110小隊隊長『こちら、110小隊。こちらの被害は・・・・。』

と言いかけた途端、

歩兵「敵機接近!!」

と大声をあげる。

すぐに俺は空を見ると、3機のワイルドキャットが爆弾を抱えて、急降下してきたのだ。そして、その敵機が急降下した先には、

司令官「110小隊の陣地・・・・。」

と言った瞬間、

ドカーン

ドカーン

ドカーン

110小隊がいた陣地が大爆発を起こす。

司令官「・・・・・クッ!!」

俺は、すぐに再度を無線をとり、110小隊に連絡をとる。

司令官「こちら114。110小隊応答せよ!!110小隊。応答せよ!!」

しかし、無線は繋がることなく。ただ、雑音が流れるだけだ。しかし、これだけでは終わらなかった。1分も経たないうちに、

ズドーン

ズドーン

敵の戦車に援護されながら、敵は再度進軍してきたのだ。

司令官「クソッ!!各員。一歩も退くな!!」

とG43をとり、前に出ようとするが、

勘助「隊長!!撤退しましょう。ここの防衛を我々だけでは不可能です!!撤退し、再度防衛陣地をの構築を・・・・。」

司令官「110小隊が全滅したんだぞ!!彼らの仇をとる為に我々は、ここで敵を・・・・。」

勘助「ここで死ねば、110小隊の仇もとれません!!生きてこそ、仇を取れるんです!!隊長!!撤退の指示を。」

司令官「・・・・・。」

時間がないなか、俺は勘助の言われた通り、

司令官「・・・・撤退する。運べるだけの武器と弾薬を運べ!!急げ!!」

俺たちは、3日間の防衛をしたのち、敵の攻撃に耐えられず撤退した。その後も、防衛陣地を何度も構築するも敵による砲撃や爆撃により、撤退をしていられた。そして、撤退する兵士達とって、最後の要である橋まで俺たちは撤退した。


○月○日午前2時

俺たちは、雨の中橋まで撤退する事に成功した。

司令官「橋だ。」

勘助「何とか、間に合いましたね。」

目の前にかかる大きな木製の橋を見て、俺たちは安堵した。

司令官「よし、さっさと渡り、橋の向こうにある作戦本部に向かうぞ。全員、前・・・・。」

ドーン

突如、橋の方から大きな爆発音と共に火柱があがる。そして、

ガタ、ガタ、ガタ

ズドーン

橋は大きく傾き、崩れ落ちた。

司令官「橋が・・・・。」

俺たちは絶望した。橋が崩れた今、俺たちは川を渡る手段がない。川は、雨により濁流となって勢いを増していた。すると、

タタタタタタタタタタ

突如、後ろから銃声と共に閃光が飛んでくる。

司令官「敵だ!!」

俺たちは、すぐに各自それぞれの木の裏に隠れ、交戦を開始した。しかし、

兵士「グハッ!!」

兵士「クッ」

ズドーン

ズドーン

兵士「ぎゃああああ!!」

敵は、Ⅲ号戦車を先頭に前進してくる。俺たちには、度重なる交戦により、対戦車兵器もおろか、弾薬すら無いに等しい状態だった。

司令官「クソッ!!おい、しっかりしろ!!」

俺は、胸を撃たれた部下の傷口を抑ええつつ、交戦していた。しかし、胸を撃たれた兵士は、

兵士「母さん。母・・・さ・・・・。」

と母親の名を呼びながら、目を閉じた。

司令官「クソ、クソ、クソッ!!」

俺は、知らぬ間に涙を流しながら、戦っていた。次々に、撃たれて死んでいく部下。まさに地獄だった。すると、

勘助「隊長!!隊長。」

勘助1等兵が走って、俺の元に駆け寄ってくる。この時、既に勘助1等兵以外全員、死んでいたのだ。

勘助「隊長!!貴方は、逃げて下さい!!」

司令官「・・・・・何を言ってる。逃げるなら、一緒に。」

勘助「俺ももう、ダメです。」

そう言いながら、勘助は撃たれて腹の部分を見せる。

司令官「バカな事を言うな!!家族の元に帰るんだろ!!娘さんの元に帰るんじゃないのか!!」

勘助「隊長!!貴方に全てを託します。どうか、生きて明るい未来を。私は信じてます。貴方こそ、この戦争を終わらせる人だ。こんな、ところで死ぬべき人じゃない。」

司令官「やめろ!!ほら、一緒に帰るぞ!!」

と俺は勘助の肩を持ち、立とうとするが、

ダァーン

司令官「グッ!!」

俺の左足に弾が命中する。

俺は、そのまま倒れる。

すると、勘助は胸を撃たれて亡くなった兵士のバックから大量の爆薬を取り出す。そして、爆薬を体に巻き付け、手に手榴弾を持つ。それを見た俺は、

司令官「何をして・・・・いる。」

勘助「・・・・・。」

司令官「お前が・・・・死んだら娘さんや奥さんはどうなる。」

勘助「・・・・・。」

司令官「止めろ。これは、・・・・・命令だ。」

勘助「隊長。俺は、信じています。だから、どうか家族を、国民を、日本を、未来をよろしくお願いします。」

司令官「止めろ。」

勘助「隊長。共に戦えて光栄でした。」

そう言うと、勘助は立ち上がり、最後の力を振り絞って戦車に向かっていく。そして、撃たれながらも戦車の真下に入り込み、そして、

ドカーン

勘助1等兵は、戦車もろとも自爆した。

それを見た、俺は

司令官「・・・・・うわあああああーーーーーーーーーー!!」

俺は、亡くなった勘助1等兵のKar98を手に取り、構える。しかし、その瞬間、

ドカーン

俺の真横で大きな爆発が起き、俺の体は大きく後ろに飛ばされ、そして、

バシャーン

俺は、川の中に放り出された。そして、俺はそのまま意識を失った。


それから、5日後

目が覚めると、そこには緑色の生地で出来た屋根が見えた。そして、俺の体を動かそうするが、何故か光足と左腕の感覚がなかった。俺は、何とかベットから起き上がると、そこには左腕と左足のない自分の体が目に入った。だが、俺は驚くことはなく、

司令官「当然か・・・・。」

その後、主治医が俺の元に訪れた。その時、俺は部下について聞いた。しかし、答えは最悪だった。

司令官「俺以外・・・・・全滅・・・・・・。」

主治医「あぁ、残念ながら君以外は助からなかった。すまない、これだけしか言えない。後、君のズボンの中にこれが入っていた。」

と言いながら、主治医は俺に一枚の写真を渡してきた。それは、勘助1等兵が大事にしていた奥さんと娘さんが写った写真だった。その裏には、奥さんと娘さんに向けての手紙が書かれていた。

それを見た俺は、

司令官「クッ・・・・・・すまない。・・・・・すまない。」

ただ、涙が止まらなかった。俺のせいで21人の部下が死んだ。こんな俺のせいでしなせてしまったこと、俺と為に必死に戦ってくれた事。全てに対してすまないと言う気持ちでいっぱいたった。

その後、俺は後方の病院に送られ、そこで復帰を待つ事にした。

そんなある日、ある人物が俺の元を訪れた。

○月○日

コンコン、

司令官「・・・・どうぞ。」

ベットでゆっくりとしていた俺の病室のドアからノックが聞こえてくる。そして、

ガラガラ

ゆっくり扉は開き、ある人物が入ってくる。

椿「久しぶりね。勇人君。」

司令官「椿・・・・。」

橋を爆破するよう指示を出した、張本人が俺の元を訪れたのだ。

司令官「何をしに来た。」

椿「えっとね。勇人君がここで入院してるって聞いてね。だから、少し合間をぬって来たの。勇人君が生きて見つかった聞いた時、私ねとても嬉しかった。また、一緒に戦えるって思うとね嬉しかった。」

司令官「・・・・・。」

椿「今回は、部隊の事は残念だったけど、そんな事早く忘れて、一緒に戦えると私は嬉しいかな。」

司令官「そんな事だと・・・・。」

椿「えっ、今何か言っ・・・・・。」

ドカッ

その瞬間、俺は椿を殴ってしまった。

司令官「そんな事だと・・・。」

俺は椿の首を手で締め、

司令官「お前が・・・・お前が橋を爆破さえしなければ、俺の部下死ぬ事はなかった!!」

椿「や・・・めて。苦しい・・・・。」

俺は、怒りで我を忘れてしまうほど許せなかった。あの椿の発見で、俺は朱雀院と帝国に復讐を誓った。


今、あの時の事を思い出すと、今でも俺は自分を攻めてしまう。だが、今あの地で帝国は動こうとしているだから、その時俺は俺でいられないかもしれない。あのデビルと言われるようになった力を再び使うと思うと・・・・・


続く




































後書き

えぇ、今後次に公開予定の戦いとその後の話をもって、シーズン1は終了したいと思います。シーズン2においては、現在内容を考え中です。また、兵器の募集の件については変わらずTwitter及びメッセージで募集しています。後、登場させて欲しい艦娘も募集中です。気軽に送ってください。それでは次回をお楽しみに。


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