2022-09-24 02:41:53 更新

前書き

お待たせしました。シーズン2第3話です。それでは、どうぞ!!


20○○年4月○日

午後5時

尾張 清洲城


ずずずずずず

城の謁見の間にお茶をすする音が響く。村での盗賊の討伐から早くも2時間が経つ。あれから、俺たちは村の事など色々と騒ぎをたてたため、今は織田軍の清洲城に来ている。この謁見の間には、今護衛として一村、林、清岡がいる。そして、もしもの時に備えて艦娘の神通と椿、キリトたちにも外で武装した形で待機してもらっている。初めての異世界におけるお偉方との会談。此方も同じだが、織田軍の家臣たちにも緊張が走る。すると、

バン

突如、急に襖が開き、1人の女が入ってくる。

久遠「待たせたな!!」

と言うと、俺と向かい合う形で座る。そして、

久遠「まずは、礼を言おう。我が領地の者や我らを盗賊から救ってもらった事に感謝する。」

と言ってくる。今このように礼を言ってきた女が、織田三郎久遠信長。通称、織田信長。誰もが、知る日本の歴史人物である。しかし、今目の前にいる信長は男ではなく女だ。俺が知る織田信長ではない。

司令官(まさか、この女が織田信長だとは。まぁ、異世界だからあり得るかもしれないが・・・・・。)

と思いつつ、織田信長の礼に対して俺は、

司令官「我々は、当たり前の事をしたまでです。我々は、罪もない人々を守るのも我々の使命です。また、盗賊を撃退したのは自分の身を守る為でもあります。」

と言うと、

久遠「ハハハハハ。そうか。自分の身を守る為か。何とも正直な奴だ。ところで、お前に聞きたい事がある。お前達が持っている鉄砲は、何だ。弾込めもせずにどうやってあんなに撃てるのだ。それに、あの大きな鉄の塊は何だ。大きな筒から火を吹いていたが。」

と食い気味に質問してくる。

司令官「アレは、我々の武器です。我が国では、刀をなどを持つ兵は少なく、基本は今日見た通りあの様な鉄砲が主力の武器なのです。」

と返す。すると、

久遠「ならば、あの鉄の塊は何だ。」

と戦車について聞いてくる。

司令官「アレは、戦車と言いまして。戦う車とかいて戦車と言います。基本、戦車は歩兵が倒す事の難しい相手に対して、攻撃を行う者で、基本は歩兵の火力支援を行なっています。」

久遠「じゃあ、我が見た田楽狭間で見たあの大きな鳥は何だ。人が乗っていたが、アレもお前たちのか。」

と聞いてくる。それを聞いた瞬間、俺は後ろを向いて、一村に確認をとる。

司令官「一村。信長公が言ってるのって、もしかして今日写真を撮影した偵察機の事か。」

一村「おそらく。確か、低空飛行で撮影したと聞いています。」

司令官「そうか。」

と言うと、俺は再び前を向き、

司令官「はい。アレは我が軍が所有する飛行機という空を飛ぶ乗り物です。」

久遠「そうか。やはり、アレはお前たち物だったのか。」

と言ってくる。すると、

久遠「お主。名は。」

と聞いてくる。

司令官「連邦軍所属の大杉勇人と申します。」

久遠「勇人か。お主、よかったら我が配下に加わる気はないか。お前たちがいれば心強いのだが。」

司令官「申し訳ありませんが、我々には既に仕えている国があります。なので、配下に加わるつもりはありません。」

と言い返す。すると、

久遠「なら、配下にならぬならここで首を斬ると言えば・・・・。」

と脅してくる。その瞬間、

ダンッ

カチャ

カチャ

奥の襖の向こうで待機していたキリトたちや神通、椿が襖を蹴破り、百式短機関銃やstg44を構え、入って来る。また、一村達も腰につけていた拳銃を構える。しかし、それは向こうも同様、向こうの家臣達も武器を構える。そして、

司令官「俺を殺しても何も手に入りませんよ。むしろ、我が国を怒らずだけです。そうなれば、この尾張は瞬く間に火の海になり、尾張の未来はないでしょう。」

と俺もそれなりの姿勢で言い返す。そして、

司令官「信長公。我々は別にここで戦をしたい訳ではない。どちらも無駄の血を流したくないのは同じ。我々の目的はただこの国でのある程度の自由と物資など提供及び、貿易が条件なだけで、この土地を織田軍から奪うつもりはありません。これらを了承して頂ければ、我々は軍事支援も兼ねた上でどんな事でもも約束します。」

と俺は自分達の要望を打ち出す。すると、この要望に対して、信長公は、

久遠「・・・・・良いだろう。これだけでお前達が敵にならぬなら。呑んでやろう。」

と言う。こうして、何とか互いの緊迫感はある程度打ち解けた。しかし、この時俺はこのような要件が出されるなど、考えもいなかった。

司令官「此方が、我が軍の要望です。ご確認を。」

と要望の内容が書かれたファイルを渡す。

すると、信長公は受け取り次第、家臣達と確認を取った上で、

久遠「よし。良いだろう。では、今度は我々からの要望だ。まず、我々が戦となれば手を貸せ。次に、お前たちもこの清洲に住むこと。最後に、勇人よ。お主、我の夫となれ!!」

司令官「了解。俺がお前の夫ね。・・・・・・えっ!?」

その瞬間、俺は信長公が何を言ったか聞き直した。

司令官「信長公。今の何と。」

久遠「我の夫になれと言ったが。」

司令官「いや、何を言ってるのか意味が分かりません。」

久遠「お主、夫の意味も分からぬのか。」

司令官「いえ、そう言う意味ではなくて。何故、俺が夫に・・・・。」

久遠「同盟を組む際、互いの陣営の者通しが結構するのは当たり前だが。」

司令官「いや、確かにそうかもしれませんが、私にも段取りというものがあると思いまして。」

久遠「お主、今言っただろ。どんな事でも約束すると。」

司令官「いや、確かに言いましたが、言いましたが流石に結婚なると個人的に問題が。それに、・・・・・。」

と俺が後ろをチラッと見ると、

神通と椿からとんでもないオーラが目に見える。流石に大事な同盟の話の為、手は出してこないが流石にヤバいので、

司令官「すいません。少し、お時間もらいます。」

と信長公に伝え、俺は謁見の間を出てすぐの廊下で、元帥に電話を掛ける。そして、

司令官「もしもし。」

浅野『おお、大杉君。そっちはどうだね。』

司令官「えぇ、それが今、ちょうどある此方のあるお偉いさんと会っておりまして、同盟の組む際に俺と結婚するよう言ってきまして。」

浅野『うん。その方は女性なのかね。』

司令官「はい。どうすればよろしいでしょうか。」

浅野『うん。先程の報告でそっちの世界は今は戦国時代だと聞いているが。そんなの向こうの世界では当たり前なのでは。』

司令官「はい。そうなんですけど。そうなんですけども。」

浅野『別にいいんじゃないかね。』

司令官「・・・・・・はい?」

浅野『それで、同盟が結ばれるのであれば結婚してしまいなさい。君も一応、結婚できる年なんだから。では、私はこの後会議があるから失礼するよ。じゃあ。』

司令官「あっ、ちょっと、待ってください。まだ、何も・・・・。」

浅野『プー、プー、プー、プー、プー』

その音が聞こえた瞬間、

司令官(終わった。何もかも。浅野元帥。お前をあの世まで絶対に恨み続けてやる。そして、もし無事に生きてかれたらお前をドーラの砲身に詰めて撃ってやる)

の心の中で悟り、同時に元帥を恨んだ。

そして、

司令官「ただ今、戻りました。」

と渋々謁見の間に戻る。

清岡「あっ、ダメだったんだ。」

一村「浅野元帥、に助けを求めたのが間違いでしたね。」

と理解したのか一村と清岡がヒソヒソと話している。

司令官「そして、そちらの要望を呑まして頂きます。」

久遠「そうか。では、よろしく頼むぞ。後、私のことは久遠の呼べ。私もお前を勇人と呼ぶから。」

司令官「かしこまりました。」

と渋々も承諾し、こうして俺の人権を無視された尾張との俺たち連邦軍との同盟が締結された。


午後6時30分

清洲城

司令官達があれから謁見の間を出てから、久遠達は、話し合っていた。

久遠「それで、今回の件お前達はどう思う。」

壬月「単刀直入に言えば、私は反対です。同盟だけならばまだ良しとしますが、あのような貧弱な男を夫にするとなると。」

麦穂「私もです。あの様な男に殿を任せるのは、どうかと思います。」

久遠「そうか。だが奴の指揮は適切なものだった。村での盗賊の討伐の際、勇人は真っ先に村を守るように動いた。迷うことなく真正面から戦った。そして、逃げもせずに盗賊達と戦った。我は、それを見た上で選んだつもりだ。」

壬月「それでも、夫にするのはどうかと。」

久遠「では、あの者を他国に渡すか。あのような、強力な軍を従える彼を。」

壬月「いえ、それこそ危険な事でしょう。奴が他国と手を組めば我々は確実に負けるでしょう。」

久遠「そうだ。だから、我は奴と同盟を結び、奴を夫として選んだのだ。結菜。お前は、どうだ。」

結菜「私も反対よ。あんな、どこの馬の骨かも分からない男を向かい入れるのは。」

久遠「そうか。なら、結菜も見てみるといい、奴のことを。」

結菜「そうさせて貰うわ。」

とこうして、久遠達も話し合いが終わり、謁見の間を出た。


一方、司令官達は、

清洲 久遠の屋敷

司令官「あーーーーーーーーーーーーー。」

同盟締結以降、あれから俺は心が死んでいた。何一つ俺の人権と意思が考慮されなかったこの同盟のせいで、何も考えずにただひたすらぼうっとしていた。今日は、久遠に屋敷で泊まるよう提案され、今は屋敷の客室にいる。そんな中、流石にじっとしているのも嫌なので、

司令官「少し、外の空気でも吸ってくるか。」

と俺は立ち上がり、刀とP80とP36を装備し、部屋を出る。すると、

一村「隊長、お出かけですか。」

と部屋を出ると、ちょうど一村と清岡に鉢合わせる。

司令官「ああ、少し、外の空気でも吸って来ようと思って。」

一村「なら、俺たちもご一緒しますよ。」

清岡「どうせ、俺たちも暇ですし。」

司令官「そうか。悪いな、なんか。」

とこうして、俺たちは屋敷を外を歩いて見ることにした。


午後6時35分

司令官「ん?」

久遠「お?」

ちょうど、俺たちが久遠の屋敷から出ると、清洲城から戻ってきた久遠達と鉢合わせした。

久遠「どうした。日も暮れだしたこんな時間に。」

司令官「ちょっと、外の空気を吸って来ようと思って。」

久遠「そうか。気をつけるんだぞ。」

司令官「分かった。」

そういうと、俺は一村達共に屋敷を出た。


そして、司令官達が出た後、

久遠「任月、麦穂。念のためだ。勇人達の後を付けろ。」

任月・麦穂「はっ!!」

そういうと、2人は司令官の後を追い出した。


午後7時

司令官「静かだな。まだ、7時なのに。」

あれから、尾張街並みを見つつ、歩いているが、

一村「店もどこも閉まってますね。」

清岡「戦があったからじゃないか。そういえば、今日司令官が言ってた・・・・えーと、おけ何とかの・・・・。」

一村「桶狭間の戦いな。」

清岡「そう、それ。」

一村「お前、小学生でも分かるぞ。この戦い。」

清岡「いやあ、勉学に関しては全くしてなくって。」

司令官「とりあえず、お前はここにいる間、いいか機会だから歴史を一から学び直せ。林にも協力してもらえ。」

どう話していると、

司令官「2人とも、止まれ。」

俺は、前から不穏な気配を感じ、2人を止める。

一村「隊長。どうしましたか。」

と聞いてくると、

司令官「200メートル前方に人影だが、何かおかしい。」

俺は、気配を感じて確認すると、何かいた。しかし、人にしては明らかにおかしかった。

すると、

バシャ

その人らしきものが何かを落とす。

司令官「アレは・・・・。」

それは、人の下半身だった。それを確認した俺は、

司令官「一村!!清岡!!銃を抜け!!」

清岡「了解!!」

一村「了解!!」

俺たちは、護身用に持っている拳銃を構える。そして、その人らしき者の正体が明らかになる。

司令官「何だよ。アレ!?」

一村「まさに、怪物ですね。」

それは、大きな手に鋭い爪を兼ね備え、顔は剥き出しになった大きな牙。まさに、怪物そのものだった。

そして、

怪物「グアアアアア!!」

怪物は俺たちに気付いたのか、此方に大きく手を振り上げ、突進して来る。

司令官「2人とも、走れ!!」

俺は、2人指示を出すと、2人とも後方へと走り出す。そして、

パンパンパンパンパンパン

俺は、2人がある程度下がるまで、怪物に向かってルガーP80を撃ちまくる。しかし、

怪物「グアアアア!!」

怪物は、体に何発も命中させたが、止まることなく此方に向かって来る。すると、

一村「隊長!!此方へ!!援護します!!」

と一村が聞こえると、

司令官「くっ!!」

俺も、一村達と元へ走り出す。

パンパンパンパン

一村と清岡が、一斉に鬼に向かって撃ちまくる。その時、

司令官「一村、清岡!!目を狙え!!」

と指示を出す。そして、

パンパンパンパンパン

一村と清岡が、怪物を目を狙って撃ち始める。すると、

怪物「グアアアアア!!」

怪物は、大きな手で顔を隠すように防御する。その瞬間、俺は後方に下がるのを辞め、

シャキン

いつも肩身離さず持っている父がくれた刀を抜き、構える。そして、

司令官「でりゃあああああ!!」

鬼の首を狙って、大きく刀を振りおろす。

そして、

ゴト

怪物の頭は、少し鈍いを音を立てて地面に落ちる。

司令官「ハア、ハア。これで、流石に死んだだろう。」

俺は、そう言いつつ、振り返ると、

ドサ

首から上がなくなったの体は、そのまま倒れる。そして、

一村「隊長。」

一村と清岡も、怪物の遺体に近づいて来る。

清岡「隊長、コイツは一体。」

司令官「分からん。だが、調べる価値は・・・・・!!」

突如、俺は再び背後からこの怪物と同じ気配がしたため、振り返る。すると、そこには

怪物「グルルルルル。」

今、倒した同じ怪物が3匹が此方をじっと睨んでいたのだ。

司令官「おいおい、マジかよ。」

と言っていると、

怪物「グアアアアア!!」

3匹の怪物が大声あげ、此方に向かって来る。

一村「隊長!!流石に、ヤバいです!!後退を!!」

と言ってくる。しかし、

司令官「もう、遅い。ここで抑えるしかない!!」

先程、戦って俺はこの怪物と戦って気付いていた。

司令官(この怪物、皮膚も硬いし、足も思ったより速い。逃げたとしてもすぐに追いつかれる。)

そう思って、俺は右手で刀を握りしめ、左手でルガーP80を構える。その瞬間、

タタタタ

突如、背後から足音が聞こえてくる。そして、

?「汚物は全殺だぁー!!」

シュン

気づいた時には、その足音の正体は、怪物達の前にいた。

?「おりゃあああ!!」

シュン

司令官「速い。」

清岡「アイツらは、一体。」

突如、俺たちの前に1人の女の子と女性が現れる。見るからに、髪色はどちらも同じ金髪で、雰囲気も似てることから親子だろう。だが、この親子

?「おりゃあああ!!」

?「ヒャッハアアアア!!」

槍で、次々に怪物共を薙ぎ倒していく。しかも、楽しんでいるようにも見える。そして瞬く間に、

司令官「全滅かよ。」

2人は、あっという間に怪物共を皆殺しにした。

一村「た、助かった。」 

と言っていると、

?「おい、小僧共!!どこの組の者だ!?」

司令官「ヤクザかよ。」

?「ああ、なんか言ったかコラァ!!」

と味方のはずなのに、警戒される始末。そんな時に、

麦穂「待って下さ、桐琴どの!」

と今日の同盟の際にいた家臣である2人の女性が止めに入る。

?「あん?何だぁ?権六と五郎座じゃなねーか。貴様らこんな夜分に何しとるんだ?」

壬月「少し理由があってな。此奴らを呼びに参ったのだ。」

?「こいつらを・・・・・おい、小僧共。腐っても織田の家老様を迎えに来させるなんざ、てめぇら何者だ。」

壬月「此奴らは、殿の客人だ。」

?「客人?あぁ、突如、田楽狭間に現れた巨大な鳥を操る奴らの事か。」

壬月「そうだ。そこの者たちは、その巨大な鳥を操る者の1人だ。」

と説明をしてくれる。

すると、

?「おい、そこのお前。」

と俺を睨んでくる。

司令官「え、俺?」

?「そうだ。お前、名は。」

司令官「連邦軍所属、大杉勇人だ。」

?「連邦軍?聞かねえ軍だな。」

司令官「今回の巨大な鳥は、うちの軍に所属している兵器でね。その兵器や兵士は俺が指揮している。」

?「ほう、ならお前が大将と言う事か。」

司令官「一応な。」

と話していると、

壬月「そして、そこの男と殿は先程同盟を組んだ。そして、同盟の条件として殿はその男を夫にする事にした。」

?「殿がか。」

任月「そうだ。正直、私は反対だ。森の。貴様もやめるよう殿に説得してくれんか。」

?「殿が決めた事だ。殿が決めた事に異は唱えん。」

壬月「やれやれ、お前は賛成という事か。」

?「そういう事だ。よし、帰るぞクソガキ!!帰って、酒だ!!」

?「おう、付き合うぜ母!!」

と言って、2人は帰って行く。それを見届けた俺は、

司令官「何なの、アイツら。」

と呟く。すると、

麦穂「あれは、森家の当主で名は、森三左衛門可成殿。娘の方は、森長可ちゃんですよ。」

と教えてくれる。

司令官「へぇー、やっぱりあの2人親子だったんだ。・・・・・そういえばアンタたちの名もまだ聞いてなかったな。」

今まで、何度か会ってはいたが、この2人の名はまだ知らないので、この際に聞いてみる事にした。

麦穂「丹羽五郎左衛門尉長秀。通称は、麦穂と申します。以後、お見知りおきくださいませ。」

壬月「私は、柴田権六勝家。通称は、壬月という。」

と自己紹介をしてくれる。そして、俺も

司令官「連邦軍所属、東京第1連邦基地の指揮官及び、今回の大規模な派遣部隊全て指揮を担っている。よろしく頼む。そして、こいつらが。」

一村「東京第1連邦基地所属、東京第2連邦独戦車中隊を指揮している一村です。」

清岡「同じく、東京第1連邦日戦車中隊を指揮している清岡だ。よろしく。」

と此方も自己紹介する。そして、

司令官「でだ。さっきのあの怪物は何なんだ。」

と聞く、

壬月「何と問われれば、分からんとしか答えようがない。」

麦穂「ですか、私達は人を喰らう妖の存在として、鬼と呼んでおります。」

と教えてくれる。それを聞いた俺は、

司令官「鬼ねえ。確かに、言われてみればそうかもなぁ。で、その鬼の弱点とか生態について分かってることは。」

壬月「奴らは、腹が減った時にしか出てこん。そして、腹を満たせば当分は出てこない。」

麦穂「一体何が目的で、どのような存在なのかは分かっておりません。まぁ、気長にやるしかありません。」

司令官「おいおい、アンタらが収める土地の市民が喰われてるんだぞ。それなりの対策とかないのか。」

壬月「分かっておる。直ぐに解決できるなら手は打つが、出来んとならば・・・・。」

司令官「なるほど。」

麦穂「我らも精一杯の事はしおりますが・・・・今のところ夜の外出を控えろと下達するしか出来ませんから。」

それを聞くと、俺はこの国には人以外の敵が存在するという事を自覚した。

司令官「鬼か。俺らもそれなりの対策を取るしかないな。仕方ない、当分は尾張の夜の警備にはウチらも参加させよう。」

と2人に言う。

壬月「まぁ、確かにお前たちの戦力なら鬼共を駆逐出来るかもしれんな。」

司令官「そうだな。」

そう言うと、俺は久遠の屋敷に向かって歩き出す。

麦穂「勇人殿。どちらに。」

司令官「屋敷に戻る。明日からここでの仕事もあるから、今日は休ませてもらう。一村、清岡。行くぞ。」

一村「はい。」

清岡「了解。」

こうして、俺はこの世界の織田信長いや、久遠と言う織田家の当主の女の夫となる事を条件に連邦軍は一時的に同盟を組む事になった。しかし、この世界はまだ多くの謎がある。近隣の大名達との関係及び、状況。そして、鬼と言う化け物の存在。これらが俺たちにとってこの世界において運命に関わってくる事は俺もこの時に、覚悟した。そして、この運命が今後俺たちの更なる戦い繋がると言う事を俺はまだ予想していなかった。


続く

















後書き

今回もご愛読頂きありがとうございました。それでは、次回もお楽しみに。


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