孤独のグルメ Season Extra 第4話「某県お好み焼き屋『なが塚』のお好み焼き」・前編
孤独のグルメ クロスオーバーss 第4弾
今回はロウきゅーぶ!の永塚紗季の家ことお好み焼き屋『なが塚』に行っちゃいます。
はたして小学生とおっさんの絡みは見れるのか
登場人物紹介
・井之頭五郎
個人で貿易商を営んでいる中年の人。体格はそれなりに大きく、割と何でも食べる。
嫌いなのは食事中の至福の一時を邪魔されること
・長谷川昴
とある事件がきっかけで慧心学園初等部女子バスケ部のコーチを任されることになった高校生。
バスケの実力は相当なもの。
・湊智花
慧心学園初等部女子バスケ部のエース。その実力は昴のお墨付き。普段は礼儀正しく穏やかで控えめな性格だが、コートの上ではまるで別人のように負けず嫌いで攻撃的なプレイヤー。
・三沢真帆
慧心学園初等部女子バスケ部設立の立役者。天真爛漫な性格でチームの中心的存在。突飛な思いつき[注 25]で周囲を振り回すトラブルメーカーだが、友達想いであるためなんだかんだで女バスメンバーからは頼りにされている。
・永塚紗季
さばさばとした性格のしっかり者。真帆の幼馴染で保護者的存在でもある。バスケ部でも皆のまとめ役を担い、普段から昴の気が回らない部分をフォローしている。
今回のお店『なが塚』の一人娘。
・香椎愛莉
小学生ながら172cmの昴とほとんど変わらない長身であるが、それがコンプレックスとなって気弱で引っ込み思案な性格。智花と並び慧心女バスの良心的存在。
・袴田ひなた
いつも笑顔を絶やさず保護欲をかきたてるような儚げな印象を与える少女。性格はマイペースでやや天然。
言うべきことはきちんと言い、昴も舌を巻くほどの器の大きさを垣間見せることがある。
・荻山葵
昴の幼馴染。勝気な性格で気の強さが目立つが、一方で何かと昴の世話を焼く面倒見のよさも併せ持つ。昴に対して幼馴染み以上の好意を抱いているが、彼の鈍感さとタイミングの悪さからその想いが伝わっていない。
・三沢風雅
真帆の父で有名なファッションデザイナー。時折親ばかっぷりを見せる。
・久井奈聖
三沢家専属メイド。
~某県~
五郎「ふー……」
五郎(今日の依頼主はファッションデザイナー……)
五郎(しかも、依頼物がヴェネツィアグラス)
五郎(結構有名なデザイナーらしいし……好みに合うといいんだけど……)
五郎(さて、家を探さないと……三沢家だったな)
五郎(偏見かもしれんが、有名なデザイナーなら家も相当わかりやすい感じなんだろう。デカイとか庭にプールがあるとか……)
五郎(……ふむ。地図だとこの辺だな……)
五郎(……………)
五郎(……あったよ。庭にプール)
時間や社会にとらわれず、幸福に空腹を満たすとき
つかの間 彼は自分勝手になり、自由になる――
誰にも邪魔されず気を使わずものを食べるという孤高の行為。
この行為こそが現代人に平等に与えられた
最高の癒しといえるのである。
「某県お好み焼き屋『なが塚』のお好み焼き」
五郎(さて、インターホンを押して、玄関前には何とか来ることができたが……)
五郎(やっぱり慣れんなぁ……こういうお屋敷)
五郎(しかし、いつまでも立ち尽くすわけにはいかん。中に入らないとな)
~三沢家~
五郎(思った通りのお屋敷だ……)
久井奈「井之頭様、お待ちしておりました。私、三沢家専属メイドの久井奈聖と申します」
五郎「あぁ、どうも」
久井奈「風雅様のところへご案内しますので、ついてきてくださいますか?」
五郎「あ、はい」
久井奈「あ、荷物をお持ちいたします」
五郎「あ、すいません」
五郎(メイドさんか……よほどの金持ちなんだろうな……)
五郎(メイドさんと言えば、以前秋葉原でメイド喫茶を経営している人から依頼を受けたことがあるが……)
五郎(ああいう店は……な……)
五郎(いかんいかん、とりあえず今は仕事に集中だ)
~三沢家・応接室~
風雅「いやぁ、わざわざ来て頂いてありがとうございます」
五郎「いえ、こちらこそご依頼いただきありがとうございます」
久井奈「失礼します。お茶をお持ちいたしました」
五郎「どうも」
風雅「早速ですが、ご依頼したものの資料をお見せしていただけますか?」
五郎「はい。えぇと……こちらですね。ヴェネツィアグラスのご資料です」
風雅「どれどれ……」
五郎「デザイナーである三沢さんに合うものがあるといいんですが……」
風雅「いえいえ、私もデザイナーとしてはまだまだ未熟ですよ。妻にも頭が上がらず……」
五郎「そういえば、今回のヴェネツィアグラスは奥さんにプレゼントするものでしたね」
風雅「ええ、いつもお世話になっていてね。私も仕事柄出張が多く家を空けてしまうことが多いので……」
五郎「そうですか……大変なんですね」
風雅「ええ……」
五郎「……そういえば、お庭のほうにバスケットゴールがありましたが、学生の頃はバスケットボールでもしていらっしゃったんですか?」
風雅「あぁ、あれですか。あれは娘に頼まれてね」
五郎「娘さんはバスケットボールを?」
風雅「えぇ、打ち込めるものが見つかってよかったと思います。娘は昔から飽きっぽい性格だったのですが……バスケットボールは初めて娘が一生懸命に続けることができていますから……」
五郎「がんばり屋な娘さんなんですね」
風雅「そうなんですよ。もうかわいいったりゃありゃしませんよ。ほんと!」
五郎(……いかん。何だか地雷のようなものを踏んだ気がする)
風雅「いやぁ、ウチの娘は―――――
~しばらくして~
五郎(ふぅ、あのメイドさんが途中で止めに入ってくれなかったらどれだけ娘について喋っていたんだろう)
五郎(……俺にも娘がいればあんな感じにいきいきと話したがるのだろうか)
五郎(……まぁ、考え方も人それぞれか)
五郎(さて……一段落したところで……)
五郎(何だか腹が)
五郎(減ってきた)
五郎(こうしちゃおれんな。何か食べるものを探そう)
五郎(今日は気分的に……中華もいいな……いや、あっちには焼き肉もあるぞ……)
五郎(まるで食べ物屋のゾーンプレスにあっているみたいだ)
五郎(しかし、ここで慌てるわけにはいかんぞ……)
五郎(……)
五郎(ん? あんなところにお好み焼き屋……)
五郎(お好み焼き屋『なが塚』か。庶民的な雰囲気だが……こういうのは俺にぴったりあいそうだ)
五郎(よし、今日はお好み焼きに決まりだ)
~五郎、入店~
紗季「いらっしゃいませー」
五郎(……ちびっ子店員。子ども店長か?)
紗季「お一人様ですか?」
五郎「あ、はい」
紗季「こちらへどうぞ」
五郎(ふむ……あそこにいるのがこの子のお父さん、お母さんっぽいな。お好み焼き屋の娘か)
紗季「お水です。ご注文が決まりましたらお呼びください」
五郎(さて、メニューを)
五郎(ふむ……とりあえず、お好み焼きは確定として、何かサイドで何か欲しいな)
五郎(豚平焼きにモダン焼き……モダン焼きはお好み焼きと若干被るか)
五郎(もんじゃ焼きも外せないな……ふむ)
五郎(どうして、粉モノの料理は俺の腹にゆさぶりをかけてくるんだろう)
五郎(悩むな……)
~慧心学園初等部バスケットボール部&長谷川昴&荻山葵、入店~
真帆「サキー! 遊びにきたぞー!」
昴「お、今日は結構空いてるな」
紗季「あ、いらっしゃいみんな! ちょうどいま空いている時間だから」
智花&愛莉「お邪魔します」
ひなた「おー。お好み焼き、たべるー」
葵「ったく……せっかく昴と二人だと思ったのに(ボソッ)」
昴「ん? 葵なんか言ったか?」
葵「別に」
五郎(……ずいぶん賑やかなお客様が来たぞ)
五郎(……あの少年は……高校生くらいだよな。明らかに小学生に見える少女を3人連れて、2人ほど年上っぽい女の子を連れて……)
五郎(……いったいどういう関係なんだろうか)
真帆「せっかくサキの新作お好み焼き食べれるって聞いたから来てやったんだぞ!」
紗季「はいはい。それと、あまり騒ぎすぎないでね。今日、貸し切りってわけじゃないんだから」
真帆「わかってるって!」
紗季「はー。心配だわ……。っとその前に……」
五郎(……ん?)
紗季「お客様、お騒がせして申し訳ありません……。できる限り静かにするよう言っておきましたので」
五郎「ああ、いえ。お構いなく」
五郎(よく出来た子だ……。そんなことより俺は……)
五郎(……新作お好み焼きが気になる!)
昴「じゃぁ、紗季、さっそく新作お好み焼きもらえるかな?」
紗季「は、はい!」
五郎(……どういう関係かは知らないが、仲がよさそうだな)
五郎(……しまった。注文するのをすっかり忘れてしまっていた)
五郎(早く決めなければ……)
五郎(……よし)
五郎「すいませーん」
紗季「はーい!」
五郎「えーと……豚平焼きとお好み焼き……それとライスください」
紗季「はい。わかりました!」
五郎(以前、大阪に住んでいる友人に大阪にはお好み焼きを白メシのおかずにして食べる人がいると聞いたことがあるからな……)
五郎(今日はそれをあえて試してみようじゃないか)
五郎(また新しい発見があるかもしれん……)
~後編へ続く~
第1話
第2話
第3話
第4話・後
第5話
第6話パート1
第6話パート2
第6話パート3
第7話
まさかの後編へ続きます。
後半待ってます!
後半戦か・・・。楽しみだ。
>>名無しさん
ありがとうございます!
shinedoragon ark さん
またまたコメントありがとうございます。