嫁艦睦月物語
元ネタは夢中問答集です。
結構いい話なんですよ。
しばらく期間が空いてしまいました。
すみませんでした。
代わりをキューキョ作ったので許して島風。
長編制作にあたっての調整がそろそろ終わるのでもうしばらくお待ちください。
あるところに、ボロい鎮守府があった
それはかつて、とても立派であった
しかし、ある日を境にすっかり変わってしまった
鎮守府を運営するにあたって必要な費用が無くなってしまったのだ
すなわち…元帥がカジノで大敗したからである
そのうち資材が消え鎮守府と艦娘の維持で精一杯な状況となってしまい…
後にそれさえも遂に叶わなくなってしまった…
艦娘達は鎮守府を離れざるを得なかった
別れを惜しむ様な泣き声、笑い声…
静まる廊下、カビゆく食パン…
あれだけ賑わっていたあの鎮守府も最早過去のものとなっていた
まだ鎮守府には提督とその嫁艦の睦月が残っているが…
その生活も苦しいものとなっていた…
提督「あかん…ひもじい…」
提督「もうそろ貯金も底をつく頃だし…ったく、何だって俺がこんな目に…」
ドアガチャ
睦月「提督…」
提督「…あ?睦月か。どうした?」
睦月「あの~…大変言いにくいのですが…」
提督「?」
睦月「食料がないのです…」
提督「」
睦月「…」
提督「はぁあああああ…マジか~…」
睦月「提督…」
提督「はぁ…仕方ない。俺が買ってくるよ…」
睦月「でも提督…それじゃあ資材を買うお金がなくなっちゃうにゃしい…」
提督「しゃーないだろ…食いもんなくちゃ生きていけないし…」
睦月「…」
提督「…ダメ元で何かないか探してくるか?」
睦月「…そうですね…」
しかし不幸中の幸いか、鎮守府から売れそうなものがいくつか発見された
提督と睦月は大喜びし、資材を各々4000ずつ購入した
提督は食材を買う余裕ができた事に安堵し
睦月は久々に褒められて少々満足気である
提督「これだけあればなんとかなるかもな」
睦月「睦月が遠征で増やすことができるのです!」
提督「よし!買い出しにいってくる。睦月は留守番な。遠征は飯食った後にするぞ」
睦月「はい!」
そう言って提督は買い出しに出掛けた
睦月「~♪」
睦月「…」
睦月「…」
スミマセーン
睦月「…?」
おや?誰がの声が…
睦月「埠頭の方からにゃしい!」ダッ
ーーー
電「すみませーん」
睦月「はーい」
電「資材をわけてくださいな」
いわゆる乞食…というものである
しかし今、睦月達にそんな余裕は…
睦月「どうぞ~♪」
あるんかーい!睦月は電に資材を1000ずつ渡した
電「ありがとなす!なすは嫌いなのです!!!」
睦月「お気をつけて~♪」ノシ
睦月「…」
睦月「…」
睦月「…あっ、やべっ…」
睦月「どうしよう…間違えて渡しちゃったにゃしい…」
…と、急に正気に戻る睦月であった
睦月「まぁ…何とか誤魔化せるかもなのです…まだ焦る時じゃないにゃしい…」
いや焦る時だぞ睦月よ…
スミマセーン
スミマセーン
…と、またしても乞食がやってきた
睦月「はーい」
暁「資材をわけてくださいな」
響「はらしょー」
今度は2人。さすがにこれを渡すような艦娘は…
睦月「どうぞ~♪」
いたー…睦月は2人に資材を2000ずつ渡した
暁「ありがとう!」
響「すぱしーば!」
睦月「お気をつけて~♪」ノシ
睦月「…って駄目駄目駄目にゃしい!!!」
もう遅いぞ睦月よ…
睦月「はぁ…はぁ…大丈夫…まだ資材は残っているのね…。これで鎮守府を立て直して…」
スミマセーン
睦月「はーい」
…もう私は知らないぞ
雷「資材をわけてくださいな」
睦月「どうぞ~♪」
睦月は残った資材を全部渡した
雷「ありがとう!」
睦月「お気をつけて~♪」ノシ
睦月「…」
睦月「…」
睦月「…あっ」
睦月「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ!!!!!!」
睦月「何で⁉何で⁉何でえええええええ!!!」
だから言ったのに…
睦月「これじゃあ睦月達は生きていけないにゃしい!!!折角希望が見えたのにいいいいいいいああああああああ!!!」
睦月「」
…これは相当きてるようだ…
睦月「…絶望した…」
…えっ?
睦月「きっと提督はこんな愚かな事をした睦月を一生恨むに違いないのね…提督に褒めてもらえないなんて…睦月…もう生きる希望がないにゃしい…」ポロポロ
睦月「提督…睦月、幸せてした…ありがとう…」スチャッ
提督「睦月~今帰ったぞ…ってうおおおおおい!!!」ダッ
睦月「提督…っ!?」
提督「睦月お前何やってんだ!?何で自分に主砲を向けてんだ‼」
睦月「提督…」ポロポロ
睦月「ふえぇぇぇぇぇん!!!」ポロポロ
提督「何だよ…何があったんだ?」
睦月「でい゙どぐ…睦月…睦月…!!」ポロポロ
提督「わかったから話してみろ!お前に泣き顔は似合わないぜ!」
ーーー
提督「…ほぅ、それで資材がなくなってしまったと…」
睦月「…」コクッ
提督「…」
睦月「…」
提督「…信じられない」
睦月「」ビクッ
提督「自分の身を顧みず相手の心配をするなんて…」
睦月「…」
提督「…お前、本当に良い奴だよな…」
睦月「…ふぇ?」
提督「俺には真似できないな…こんな性格じゃあな…だからこそ、俺にはお前が輝いて見えるんだ…そう悲観的になるなよ…」
睦月「…えっ?提督…怒ってないの…?」
提督「怒らねーよ!俺はお前のそういうところに…何つーの?魅力を感じたっつーか…」
提督「それに…俺とお前の仲だしさ…ほら…」
睦月「…夫婦って事ですか?」
提督「ちげーよ!仮だよ仮!!別に俺はそんなんじゃねーっつーか…」
睦月「いひひひ…」
提督「笑ってんじゃねーよ!お前に笑顔は似合わねーよ!」
睦月「えーっ!!酷いにゃしい!!」
~しばしイチャイチャタイム~
…
…
提督「…やれやれ…とはいえこれからどうするか…」
睦月「」キョロキョロ
睦月「あっ、提督あれ…」
提督「ん?」
睦月「あの倉庫まだ調べてないですよね…」
提督「そうだな。何かないか、ダメ元で調べてみるか…」
かくして、2人は倉庫を調べてみた
そこには…
提督「…えっ?」
睦月「…およ?」
とてつもない程の金銀財宝で埋め尽くされていた!!!
提督・睦月「「ゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑ」」
こうして2人は鎮守府を立て直す事に成功しました
艦娘達も戻ってきて、またいつも通りの平和な鎮守府となった…
そんな中、睦月はひとり堤防で…
今の幸せを噛みしめながら、自身の左手を眺めていた…
ー艦ー
なんだかんだ睦月が一番好きかもしれない
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