2022-07-28 23:40:34 更新

概要

前回までのあらすじ。悠久鎮守府に着任した提督と五月雨。彼女らは仲間達と協力し、多くの困難を乗り越えていった。そんな中、五月雨は新たな力に目覚め、強敵リ級を見事撃ち破った。しかしその力が、彼女らの運命を大きく狂わせる事になる…。霊剣鎮守府、闇悪鎮守府、そして被験体を名乗る謎の女性…。五月雨達の運命は…?


前書き

登場する鎮守府紹介

【悠久鎮守府】
鈴原提督と五月雨が務める鎮守府。一切雨が降り止まない土地全体を鎮守府の敷地にしてしまったのでやたら広い。カビキラーが多めに用意されているが、妖精パワーでカビ等は生えないようだ。便利。

【高層鎮守府】
立花提督と漣が務める鎮守府。高さ3000Mの5階建て。無論執務室は5階。故に真冬と同等の寒さ及び非常に薄い酸素濃度によって多くの艦娘達が苦しめられた。

【要塞鎮守府】
相馬提督と吹雪が務める鎮守府。10種類もの防衛設備が整っていて、難攻不落の鎮守府と言われている。整い過ぎて内装も非常に入り組んでおり、初見は迷子不可避である。

【霊剣鎮守府】
霊剣と呼ばれるエネルギーが溢れる鎮守府。そのエネルギーを浴びた艦娘は強力なパワーを得ることができる。故に最強の鎮守府とされていたが、10年前に壊滅したため、その多くは謎に包まれている。

【回生鎮守府】
元帥と大和が務める鎮守府。壊滅しては間もなく復活する様子から不滅の鎮守府と呼ばれているとかいないとか。

【闇悪鎮守府】
10年前に突然裏切り深海棲艦側に寝返った。霊剣鎮守府の壊滅と関係があるとされているが、それ以来一切姿を見せないので調査はほとんど進んでない。


提督「~~で、そこで~~」


提督「~~~」


睦月「zzz」


五月雨「~~~~~」


提督「~~!~~~!」


睦月「(…んにゃ?睦月は翼を手に入れたのね…むにゃむにゃ…)」


提督「~~…で、これについて睦月はどう思う?」


睦月「zzz」


提督「…」


睦月「…」 


提督「」ちょんちょん


睦月「…およ?」


ベッチーン!!!


睦月「ああああああああああああああああ!!!!」


睦月「痛いにゃしい!何するんですか!!」


提督「寝るな!会議中だ!」


睦月「ごめんなさいにゃしい…」


霧島「いきなり召集かけられての会議だからね。面倒なのもわかりますよ」


提督「何だと⁉お前ら!この会議がどれだけ重要なものかわかるか!!」


一同「」フルフル


提督「何て事だ…」


瑞鶴「だって提督さん…これ…」


瑞鶴「秋祭りの出し物の会議じゃん」


睦月「毎年95月に地域ごとに一斉に行われる大本営主催の催しです。鎮守府で1つ、屋台や演劇などの出し物をして、それを楽しむものとなってます。多くの鎮守府の艦娘や提督達が参加するので毎年楽しみにされていますにゃしい!」


三日月「誰かに説明しているの?」


提督「たかが秋祭り。されど秋祭り。元帥がこの秋祭りを凄く楽しみにしているんだよ…」


瑞鶴「それが何よ?」


霧島「つまりここで秋祭りを台無しにされたら元帥を怒らせる事になり司令の立場も危うくなる…ということですね!」


提督「そうだ。よくわかってるじゃないか」


提督「っつーわけだ。俺らも早く出し物を決めないと他の鎮守府に遅れをとるからな…。」


山城「まだ2ヶ月ありますよ?」


提督「そうやって慢心して、結果間に合いませんでした~なんてなったらどうするんだよ…早い方がいいんだよ早い方が」


山城「へー」


提督「聞く気ないやんけ」


瑞鶴「私は爆撃屋がいいと思います!」


提督「何ぞそれ?」


瑞鶴「勿論、艦載機で的当てするのよ!」


提督「空母以外でもできるものにしなさい。この祭りは他の鎮守府の提督達や艦娘達も来るんだよ」


瑞鶴「えぇー…(´д`|||)」


提督「何て顔してんだよ…」


三日月「司令官」


提督「何だ?質問?」


三日月「あの…その祭りは何処で開催されるんですか?」


提督「…あぁ、確か根田降町って所だ。根田降神社がある所な」


五月雨「根田降町…高層鎮守府の近くですか?」


提督「そうだ。よくわかってるじゃないか」


睦月「結構ありそうな地名で草」


提督「…?何言っているんだ?実際にあるんだよ」


睦月「あっ…いえ、何でもないです…」


提督「変な奴」


瑞鶴「ねー提督さん!暇なんだけど~!」


提督「暇ならちっとは考えろ!!会議中だって言ってるだろ!!」


瑞鶴「考えるの疲れた!」


提督「はぁ…」


提督「…まぁいいだろう」


霧島「お?」


提督「気分転換に遠征でも行ってこい」


熊野「休みはくれないんですのね…」


瑞鶴「まぁ会議よりかは全然いい!よし!五月雨!三日月!睦月!山城!準備して!」


五月雨「瑞鶴さん…気合い入ってますね…」


山城「私もなの…?」


霧島「折角なので私も行ってもいいかしら?」


瑞鶴「いいよ!」


提督「んじゃあはよ行ってこい」


「「「いってきます!」」」


夕張「…」


熊野「…いきましたね」


提督「…さっ、お前らは会議の続きだ。いい案を出してくれ」


熊野「…」


夕張「わ、私は…タイムマシンの実験があるから…」


提督「は?」


熊野「私はそろそろエステの時間で…」


阿武隈「あれれ?そろそろ大本営から連絡がきそうかな?」


ドアガチャ


バタン… 


提督「…」


提督「…サボる気だな…」


ーその辺ー


瑞鶴「っしゃぁ!!何とか会議をサボることに成功した!後は夕張達に任せよう!」


霧島「資材も大量に入手できましたし、完璧ですね!」


山城「…そういえば秋祭りが開催される所ってどんな所なんでしたっけ?」


三日月「さっき司令官が説明していたのに本当に聞いてないんですね…」


瑞鶴「仕方ないね」


カツサンドルフ「アサヒスーパードライは生ビールではない!」


瑞鶴「何だっけ?根田降町…?みたいな…」


山城「そうそれ。結構な人数がくるみたいだけども開催できるのかしらね?」


五月雨「何か一般の方も参加できるみたいですからもっと多くなりますよ」


瑞鶴「あぁ何だ。てっきり貸し切りなのかと思ってた…」


霧島「…随分大規模な貸し切りですね」


山城「それで…何でしたっけ?何か神社もあるんでしょう?」


霧島「そんな事も言ってましたね」


瑞鶴「へぇ~私神社とか行った事ないからちょっと楽しみだなぁ…」


山城「あらそうだったのね。前の鎮守府ではそういう所に行った事とかないんですか?」


瑞鶴「うん前の鎮守府でもないなぁ…。あっ、でもお寺には行った事あるよ!ほら、あの鳥居が立ってて…」


霧島「は?」


山城「え?」


瑞鶴「…え?」


五月雨「瑞鶴さん…鳥居があるのは…神社なんですよ…」


瑞鶴「えっ…?そうだったの…?」


睦月「あたまわるわる~♪」


瑞鶴「ええ!?じゃあ私お寺には行ってないって事なの⁉」


霧島「そうですよ」


山城「瑞鶴…まさかお寺と神社の区別がつかないなんて…」


睦月「ぷっぷくぷーwww」


瑞鶴「そんな~…勘違いだったなんて…」


山城「まぁ、またひとつ賢くなったって事で…」


瑞鶴「そうだったのね…鳥居があるのが神社ね!」


「…トリイ?」


瑞鶴「…ん?今のは…?」


バシャアッ


駆逐艦「貴方…今トリイって言ったわよね…」


三日月「艦娘⁉」


五月雨「…天津風?」


霧島「いいえ違います!深海棲艦です!」


瑞鶴「嘘…折角の遠征なのに…」


駆逐艦「答えなさい…トリイは何処にいるの?」


瑞鶴「はぁ?あんた知らないの?鳥居は、神社にあるのよ。これくらい、常識よ」


山城「こいつ…」


駆逐艦「神社?…何処の?」


瑞鶴「へ?」


駆逐艦「何処の神社だって言ってんのよ!!」


霧島「えぇ…何処のって言われましても…神社なら何処にでもありますし…」


駆逐艦「何言っているのよ…私を馬鹿にしているの?」


山城「お前こそ何言ってんのよ」


駆逐艦「なら無理矢理答えさせるまでよ…出会え者!!」


深海棲艦「」ゾロゾロ


瑞鶴「答えたのに…」


睦月「話が通じないタイプにゃしい…」


三日月「そんな事言っている場合ですか!!私戦えないですよ!!」


瑞鶴「大丈夫!私達に任せて!」


駆逐艦「いけーー!!」


深海棲艦「」ダッ


山城「…数が多いですね」


大井「はーい」


山城「帰れ」


大井「はーい…」トボトボ


霧島「恐らくあの駆逐艦が旗艦です。私が相手しますので皆さんはとりまきをお願いします」


瑞鶴「いいよ」


山城「仕方ないわね…」


五月雨「睦月!いきますよ!」


睦月「了解なのです!」


ドーン


ドーン


深海棲艦「ぎゃあああああああああ!!!」ドガーン


山城「よし!」


五月雨「やった!」


駆逐艦「何…」


霧島「貴方の相手は私よ!」ドーン


駆逐艦「くっ…戦艦ね…」サッ


霧島「なっ…速い!」


ドガーン


霧島「くっ…」


三日月「霧島さん!」


霧島「気をつけてください!この駆逐艦…かなり戦闘慣れしてます!魚雷発射の流れが完璧過ぎです…」


五月雨「…まさか、貴方はら行4姉妹ですか?」


駆逐艦「…私達ら行4姉妹を知ってるのね」


瑞鶴「何⁉」


駆逐艦「いかにも!私こそ深海棲艦の誇るら行4姉妹が一人!駆逐艦ロ級よ!」


瑞鶴「は?嘘つくな!ロ級は人型じゃないわよ!!」


ロ級「そう思うでしょう?でも私は違うの」


ロ級「私達は最強に選ばれたのよ!そしてそれに相応しい姿になっただけよ」


山城「黙れぇぇぇぇぇ(神)」


霧島「何言ってんだこいつ」


五月雨「頭の中お花畑だこいつは(素)」


睦月「つーかムカつくなあいつ」


ロ級「何だとゴルァ!!!!」


ロ級「あんたら…許さないわ…トリイの居場所を聞いたらすぐにぶち殺してやるわ…」


瑞鶴「だから神社にあるって…」


ロ級「私をおちょくるのもいい加減にしなさい!!」


瑞鶴「何なのよ全く…」


五月雨「霧島さん、ロ級は私にお任せください!」


霧島「えぇ、ですが気をつけてください。あのロ級、実力は確かなようです」


五月雨「わかってます。一気に決めます」


五月雨「」ダッ


ロ級「はっ!」ドーンドーン


五月雨「やあああああああああ!!!」ドガーンドガーン


ロ級「ええっ!?」


五月雨「たぁっ!!」ドーン


ロ級「ぐああっ!!」ドガーン


霧島「いやごり押しか!!」


三日月「五月雨ぇ、大丈夫ですか?」


五月雨「大丈夫です!小破で済みました!」


山城「全く…無茶するわね…砲撃を正面から受けきって反撃するなんて…」


ロ級「くっ…この力…貴方、ただの駆逐艦じゃないわね…まさか、お姉様が言っていた五月雨って貴方の事かしら…?」


五月雨「はい。そうですよ」


ロ級「そう、これじゃあまともに答えてはくれないようね…」


霧島「だから~鳥居でしょう?神社に行けば何処にでもありますって…」


ロ級「いい加減にしなさい!何処まで私を馬鹿にする気なの!!」


霧島「だからそんなつもりじゃないって…」


ドガアアアアアアアアン


瑞鶴「よし!辺りの深海棲艦は一掃したよ!」


睦月「なら!後はあいつだけにゃしい!」


五月雨「はい!」


ロ級「くっ…不味い…」


霧島「あのロ級は強いですが、全員でかかればいけます!」


ロ級「…っ!!」


瑞鶴「いくわよ!」


「」


五月雨「…!」


五月雨「睦月!危ない!」ドン


睦月「およ?」ヨロッ


ドガアアアアアアン


一同「!?」


五月雨「うっ…」ボロッ


睦月「五月雨!?」


三日月「五月雨!!」


山城「誰⁉」


バシャアッ


ル級「ロ級!大丈夫ですか⁉」


ロ級「お、お姉様!」


瑞鶴「またお前か!!」


ル級「えっ?…あっ!また貴方達ですか⁉」


霧島「ル級…」


三日月「あれがル級ですか…」


霧島「えぇ、あの装甲は私達の攻撃の一切を通しません…強敵です…」


ル級「ロ級、トリイの居場所はわかりましたか?」


ロ級「えぇお姉様。あの艦娘達が知ってるみたいなのだけど、神社なら何処にでもいるとか意味不明な事ばかりで答えてくれないの…」


ル級「神社…?それってもしかして鳥居ではないでしょうか?」


ロ級「へ?」


ル級「神社の入り口にある門みたいなものです。私達が求めていたものではないでしょう」


三日月「(…深海棲艦は神社の鳥居ではない別のトリイを探しているのかな?)」


ル級「これ以上は時間の無駄です。撤退しますよ」


ロ級「わかったわ!」


バシャッ


山城「!!」


霧島「…いないわね」


山城「…」


睦月「五月雨、大丈夫?」


五月雨「うん。まぁね」


三日月「…五月雨も大破してますし、資材も集まりました。さっさと帰投しちゃいましょう」


瑞鶴「そうだね」


ーーー


リ級「…そう、残念ね」


ル級「すみません姉さん。トリイの居場所は結局わからず終いで…」


リ級「相手は元霊剣鎮守府の艦娘よ。仕方ないわ」


ロ級「(…そもそもトリイと鳥居を勘違い事は黙っておこう…)」


レ級「霊剣の艦娘か…私もいっぺん会ってみてぇなぁ…」


?「へぇ…霊剣鎮守府の残党…見つけたのね…」


ル級「!!」


リ級「…ちっ」


?「しかも、五月雨って、霊剣鎮守府の秘書艦って話よね?そんな情報、貴方達の提督には聞かされてないみたいね?」


レ級「…闇悪鎮守府の艦娘か…」


?「そんな情報黙ってたって知られたら、貴方達もただでは済まないでしょうね」


リ級「…それがどうした?」


?「ねぇ、五月雨の相手をさせてよ。私に」


リ級「何だと?」


?「要望を聞いてくれるのなら、五月雨はその時見つけたって事にしといてあげるわ。つまり今まで五月雨の所在を隠していた事も内緒にしてあげるわ」


リ級「…」


?「それにトリイの居場所を教えてあげるわ…さすれば手柄は貴方達のものね」


リ級「何⁉」


?「どう?悪い話ではないと思うのだけど…」


リ級「…いいだろう。五月雨を誘き寄せて初めて五月雨の所在を知るという事にするんだな」


?「そうね。さて、出発は明日よ。準備しなさい」


リ級「…その前に、お前、五月雨に何か因縁でもあるのか?」


?「…えっ?」


リ級「吹雪の時もそうだった。何やら霊剣鎮守府の艦娘ではなく初期艦に固執しているように思う。それは何故だ?」


?「…別に対した事ではないわよ。因縁とかも全くない」


叢雲「でも強いて言うなら、久々に初期艦訓練時代の同期達に会いたくなった…って所かしらね?」


ー鎮守府ー


提督「鳥井正司 28歳 落下点鎮守府に着任していて階級は少将。3日前に艦娘への強姦未遂の容疑で逮捕されている」ペラッ


瑞鶴「へぇ…提督だったんだ。鳥井って人」


夕張「よく半日で調べられましたね」


提督「立花に聞いたんだ。情報収集に関してはあの鎮守府の右に出るものはいないからな」


五月雨「漣のとこの鎮守府ですね」


提督「あぁそうだ」


三日月「…ですがそんな方を深海棲艦は何故探しているのでしょうか?」


提督「…さあ?そこまでは知らん」


三日月「…」


五月雨「…きっと、何かあるはずです」


睦月「えっ?」


五月雨「何だかきな臭いんです。何故深海棲艦は鳥井提督を探しているのか。本当に鳥井提督はこの理由で捕まったのか…。この一連の出来事には何か裏があると思うんです」


提督「五月雨、お前のこれからの展開を当ててやろうか?」


提督「お前は、鳥井提督に何か秘密があると睨み、首を突っ込んだ結果、その秘密を危険視しているであろう深海棲艦達に倒される」


瑞鶴「提督さん!!」ガタッ


五月雨「そんな事…」


提督「いいか、この際だから言っておく。近頃のお前の戦い方は危なっかしい!さっきの戦いでもそうだ!お前自身負傷しているのに迷わず睦月を庇った!慢心か?自己犠牲のつもりなのか?いや、お前の事だ、恐らく後者だろう。だがな!自己犠牲なんて言ってしまえば自己満足の延長だ!美徳なんかでは断じてない!」


霧島「司令!!」ガタッ


睦月「提督!!」ガタッ


提督「余分な事には変に首を突っ込むな…。俺らみたいな力のない奴らは任務を適当にこなしていけばいいんだよ…」


五月雨「…」


睦月「…」


ドアガチャ


阿武隈「提督!緊急通報です!」


提督「何⁉お前ら出撃だ!メンバーは…」


提督「夕張、熊野、霧島、山城、瑞鶴…」


五月雨「待って!私が行きます!」


提督「…っ!!」


山城「提督!!」


提督「あーっ!もう時間がねぇ!行ってこい!」


五月雨「はい!行ってきます!」ダッ


ドタドタ


ドアバタン


提督「…」


ー大本営ー


元帥「」カタカタ


大和「…提督?何をなさってるんですか?」


元帥「あぁ大和君。今ちょっとモニターを準備していてね」


大和「モニター?何故でしょうか?」


元帥「あぁ、そろそろ頃合いだと思ってね」カチッ


モニター「」ピカー


大和「…これは五月雨さん?」


元帥「そうだよ。そろそろ面白い事が起きる予感がするんだ」


大和「?」


ー海上ー


霧島「」キョロキョロ


瑞鶴「何処?」キョロキョロ


熊野「あっ、あれです!」


五月雨「あれは…大本営が所有しているクルーズ船!」


霧島「クルーズ船が深海棲艦の襲撃を受けているのね!」


瑞鶴「さっさと終わらせちゃおう!それ!」バシュッ


ドガアアアアアアアアアアン


瑞鶴「よし!」


霧島「さすがですね」


山城「何よ。大した事なかったわね…」


五月雨「それじゃあ乗員の無事を確認して帰投しましょうか」


霧島「そうね」


リ級「ふふ、上手く誘き寄せられたわね」


瑞鶴「誰⁉」


バシャアッ


リ級「また会ったわね」


瑞鶴「リ級!!」


リ級「私だけじゃないわ」


バシャアッ


ル級「」


レ級「ふぅ…」ノビーッ


ロ級「ふふふ…」


夕張「なっ…まさか…」


リ級「そう、私達ら行4姉妹!全員揃ったのは初めてね!」


山城「満を持して全員集合ってわけね…」


レ級「その通り!姉貴からお前らの事を聞いて以来、戦うのを待ちわびていたんだよ」


夕張「戦艦レ級…」


霧島「強敵の代名詞のようなものです。それに通常より強くなっているでしょう」


リ級「そういえばレ級とは初めましてね。レ級は私達の中でも単純な戦闘力なら最強よ。貴方達で相手できるかしら?」


瑞鶴「…レ級の相手は私達がやるよ、山城…」


山城「えぇ、私も…?」


霧島「気をつけてくださいね。私はあのル級を相手どります」


ル級「…ふぅん」


霧島「夕張さんはロ級、熊野さんと五月雨さんはリ級をお願いします」


夕張「わかった!」


五月雨「わかりました」


熊野「承りましたわ!」


リ級「…いいでしょう。かかってきなさい」


瑞鶴「いくよ!」バシュッ


ドガーン


レ級「うおっ…」ドガーン


山城「やっ!」ドーン


レ級「っと」バシッ


山城「くっ…弾き返したわね…」


瑞鶴「だけど攻撃は通るみたい。私が上手く隙を作るから山城は確実に砲撃を当てて!」


山城「えぇ、わかったわ!」


レ級「…面白い。お前達にできるかな?」ドーン


瑞鶴「くっ…舐めるな!」バシュッ


夕張「やぁっ!はぁっ!」ドーンバシュッ


ロ級「ぐっ…はぁっ!」ドーンバシュッ


夕張「…確かに速い…だけど!」バシュッ


ロ級「くっ…うああっ!」ドガーン


夕張「よし!まだまだ押し勝てる!」


ロ級「何を…っ!!」


霧島「やーーっ!!」


ドーン


ドーン


ドガーン


ル級「…」


霧島「効かぬ!?やっぱり…これならどう!?」


ドーン


ドガアアアアアアアアアアン


ル級「…なかなかの衝撃ですね…」


霧島「嘘…本当に攻撃が通らないのね…」


ル級「今更ですね。さて、今度は私の番ですよ!!」


ドガーン


リ級「ぐわっ!!」


熊野「もう一発ですわ!」ドーン


リ級「くっ…」ドガーン


熊野「五月雨さん!」


五月雨「たあぁぁぁ!!」ドーン


リ級「ぐわぁぁぁぁ!!!」ドガーン


熊野「ナイスですわ!」


五月雨「はい!このまま押し切りましょう!」


リ級「…くっくっく…ふふふ…」


熊野「?」


五月雨「何がおかしいんでしょう?」


リ級「…ふふふ、五月雨。お前はこの前よりまた強くなったようね」


五月雨「へ?」


熊野「そうなんですの?」


五月雨「いえ。わかんないです」


リ級「あらそう…」


リ級「まぁいいわ。五月雨。実は貴方に会いたがっている人がいるの」


五月雨「えっ?私に…?」


熊野「誰なんですの?その人は…」


リ級「きっとビックリするでしょうね。…もういいわ。出てらっしゃい」


「」ザッ


「」ザッ


五月雨「…えっ?」


叢雲「…久しぶりね。五月雨。元気そうね」


五月雨「…叢…雲?」


熊野「知ってますの?五月雨さん」


五月雨「何やってるの?叢雲…今私達は深海棲艦と戦っているからちょっとはなれ…」


叢雲「」ドーン


五月雨「きゃっ!!」ドガーン


熊野「五月雨さん!!」


五月雨「な、何で…」


叢雲「勘違いしないで。私は貴方を助けに来たわけじゃない。…貴方を殺しに来たのよ」


五月雨「何言っているの…?」


熊野「リ級!!誰なんですの!その駆逐艦は!!」


リ級「こいつは叢雲。初期艦訓練時代の五月雨の同期で、闇悪鎮守府の秘書艦だ」


五月雨「えっ?」


夕張「闇悪鎮守府!?」


霧島「闇悪鎮守府って、10年前に人類を裏切って以来一切姿を現さなかったあの?」


叢雲「えぇそう、その鎮守府よ」


五月雨「…何で」


五月雨「何で深海棲艦の味方に…私達、仲間じゃなかったんですか」


叢雲「えぇ、仲間だったわ。この前まではね」


瑞鶴「この前までって…どういう意味よ!!」


叢雲「私達闇悪鎮守府は、壊滅した霊剣鎮守府にまだ生き残りがいると睨んだ。そして大本営の新人としてやってきた貴方がその生き残りではないかと考えたのよ」


叢雲「でも大本営は地上人の本拠地。そう簡単に入れるわけがないわよね?」


叢雲「そこで、私は脳内の記憶を全てとある装置に預け、大本営潜入したのよ」


熊野「…は?」


瑞鶴「何言っているの…」


叢雲「つまり、一時的に記憶喪失になったのよ。そうすれば怪しまれずに済むからね」


山城「じ、じゃあ叢雲は10年間も記憶を消したまま生活していたって事…?」


叢雲「そうよ。狂ってるでしょう?でも仕方ないわよね。狂わせたのはあんた達なんだから…」


五月雨「えっ…?何で…」


叢雲「私が普通の鎮守府にいた頃の話よ。その時の提督がどうしようもないクズで、というか私達艦娘を心のない道具のように扱ってったのよ」


五月雨「ブラック鎮守府…」


叢雲「えぇそうね。だから私含め当時の艦娘達は皆あいつを憎んでたわ。…まぁそいつは病気で死んだけど」


五月雨「…」


叢雲「で、当然だけど私達の所に新しい提督が来るじゃない?そいつは前のあいつと打って替わって善人ってわけではないけど…部下を大切にするタイプみたいだったのよ。だから今までみたいな地獄のような日々から解放されたのよ」


叢雲「私は大いに喜んだわ。だけど、今度は艦娘達が今までの鬱憤を晴らすが如くそいつをいたぶり始めたのよ…」


五月雨「えっ…?」


叢雲「ビックリでしょう?私もそうだったわ。今まであんた達を悲惨な目に遭わせたのはそいつじゃないはずなのに…」


五月雨「…」


叢雲「私は失望したわ。後任提督を自分達の鬱憤晴らしの道具にして、皮肉にも前任と同じ事をしてしまった艦娘達に…」


五月雨「…」


叢雲「その後任提督こそが今の闇悪鎮守府の提督よ。これが闇悪鎮守府の始まり。この鎮守府だけが私達の居場所なのよ!」


五月雨「叢…雲…」


叢雲「わかったかしら?私達は五月雨とは違うの。あんたみたいな!自分の不手際を認めずただ周りの人達を妬むだけのあんたじゃあ!私の過ごした地獄のような日々がわかるわけがない!」ドゴッドゴッドゴッ


五月雨「ぐっ…でも…私は」


叢雲「もし私を説得しようと考えているならやめた方がいいわ。さっきも言った通り、私はもうあんた達には失望してるの」


五月雨「そんな…」


叢雲「所詮あんた達との時間も、ただの"仲間ごっこ"なのよ!!」


五月雨「」ピキッ…


叢雲「…随分話し込んじゃったわね。さぁ五月雨、覚悟しなさい」


五月雨「…てんじゃねぇよ」


叢雲「…は?」


五月雨「戦闘中にだらだらしゃべってんじゃねぇっつってんだよ!!」


叢雲「!?」


五月雨「っらぁっ!!」ドーンドーンドーン


叢雲「くっ…何…何なの?」ドガーン


五月雨「うらあっ!!」ドーン


ロ級「しまっ…あ゙ぁ゙!!」ドガーン


リ級「ロ級!!」


叢雲「何なの…五月雨の様子が変ね…」


夕張「…あれは…確か前にもあったような…」


ー大本営ー


『うらぁ!!がぁぁあっ!!』ドーンドーン


大和「…提督。五月雨さんの様子が変です」


元帥「そうだね」


大和「あれは一体何なんですか!?」


元帥「恐らく、ショックが強過ぎたんだろうね」


大和「…どういうことですか?」


元帥「今まで仲間だと信じていた叢雲が敵だった事を知ったショック精神が不安定になり、五月雨の中に秘めた霊剣の力を抑える事ができなくなり、暴走してしまったのだろう」


大和「そんな…」


元帥「残念だが、私が期待していた事は起こらなかったみたいだねぇ…」


大和「…提督は、叢雲さんが闇悪鎮守府の艦娘だと知っていたんですか?」


元帥「いや?知らなかったよ。本当に。こう見えて結構衝撃受けてるよ」


大和「…」


ーーー


リ級「くそっ…こいつは不味い!皆、五月雨を止めなさい!」


レ級「私がやるわ!」ドーン


五月雨「!!」ドーンドーン


レ級「こいつ…砲撃を砲撃でぶつけてかき消しやがった…!」


五月雨「死に晒せぇぇぇぇぇぇ」ドーンドーンドーン


レ級「くそっ…砲撃が間に合わな…があっ!!」ドガーン


リ級「レ級!!」


レ級「くそっ!私の小物入れが!!」ボロッ


叢雲「あんたのその怪物みたいなやつ小物入れだったの!?」


五月雨「はぁ…はぁ…」


夕張「五月雨ちゃん…」


五月雨「」クルッ


クルーズ船「」


五月雨「」スッ


霧島「!?…五月雨さんがクルーズ船を狙ってます!」


瑞鶴「五月雨!止めて!」ガシッ


五月雨「なっ…邪魔だ!離せ!」


熊野「貴方達も何時までそこにいるんですの!早くあっち行ってなさい!」


乗員「は、はい…!!」


クルーズ船「」ゴォォォォォ


熊野「はぁ…あの船はもう大丈夫そうですわね…」


瑞鶴「きゃあ!!!」ドサッ


熊野「瑞鶴さん!」


五月雨「」スッ


山城「瑞鶴…っ!!不味いっ!!」ダッ


五月雨「くたばれぇぇぇぇぇぇ」ドーンドーンドーンドーン


山城「瑞鶴!」ドン


瑞鶴「うぇっ!?」


山城「あああああああああ!!!」ドガアアアアアアアアアン


瑞鶴「ゴホッ…!山城!!」ダッ


山城「ぁ…」


瑞鶴「山城!山城!しっかりして!」


霧島「山城さん!」


夕張「山城さん…」


五月雨「…」


五月雨「」ヨロッ


夕張「五月雨ちゃん!」ガシッ


五月雨「」


夕張「…気絶してる」


夕張「山城さんは!?」


瑞鶴「山城!山城!」


霧島「駄目…ダメージが艤装で防ぎきれてない…」


瑞鶴「そんな…」


リ級「…ふぅ、何だかよくわからないけど、今がチャンスって感じね。さぁ!止めをさしてしまいましょう!」


ル級「はい姉さん!」


レ級「おっけー姉貴!」


ロ級「わかったわお姉様!」


瑞鶴「…っ!!」


霧島「万事休すね…」 


熊野「…」


夕張「くっ…」


リ級「ふふふ…」


リ級「…」


リ級「…!?」


ル級「姉さん…?」


リ級「…最悪」


ル級「えっ?」


ル級「…あれ?この気配は…」


叢雲「何よ?どうしたのよ」


リ級「奴が来る…」


瑞鶴「へ?」


熊野「奴って…」


フッ…


一同「!?」


霧島「何!?辺りが突然暗く…」


リ級「…まさか」


瑞鶴「何?何なの?」


熊野「…!!皆さん!下!下見てください!」


瑞鶴「下?…!!何よこれ…」


夕張「海が…赤く染まって…」


ブクブク…


バシャアッ


深海棲艦「」


深海棲艦「」


夕張「深海棲艦の大軍!?」


「ふふふ…あははは…」


戦艦水鬼「あーっはっはっはっはー!!」バシャアッ


叢雲「!?」


瑞鶴「あいつは…」


リ級「戦艦水鬼…」


霧島「戦艦水鬼⁉」


霧島「鬼…ですって…!?」


リ級「何の用?何故貴方がここにいるのよ」


戦艦水鬼「えぇ、何だかたまたま霊剣鎮守府の残党がいるって噂を聞いてねぇ…気になってきちゃったのよぉ?」


レ級「ちっ…」


戦艦水鬼「でも、見たところあまり強そうには見えないわね」キョロキョロ


戦艦水鬼「…あら?でもそこの緑の空母はなかなか強そうね。どう?折角だし私と遊んでいかない?」


瑞鶴「…っ!!」ビクッ


戦艦水鬼「うふふ…」


瑞鶴「…ぁ…」


夕張「やあっ!!」ポーイ


戦艦水鬼「?」キャッチ


夕張「皆!逃げて!」


バシュッキイィィィィィン


ーーー


戦艦水鬼「逃げられたわ…残念…」


リ級「おい、あんた自分が何をやったかわかってるのか?」


戦艦水鬼「?」


リ級「あんたはいつもそうよ。場を掻き回すだけ掻き回しておいて、いつもめちゃくちゃにするのよ。いい加減にしてほしいわ」


戦艦水鬼「うふふ…怒っちゃって~♪私が強いからって嫉妬しちゃってるんでしょ?そうでしょ?」


戦艦水鬼「あれくらいいつでも滅ぼせるわ。っていつも言ってるのに提督はなんで私を差し置いて駆逐古姫ちゃんや貴方達に任務を任せるのかさっぱりわからないわ」


ル級「そういうとこですよ」


レ級「そうだ。お前もう帰れ」


ロ級「get lost」


戦艦水鬼「ふふ、随分嫌われたみたいね。名残惜しいけど、私はそろそろお暇させてもらうわ」


ーーー


リ級「…」


叢雲「…あんた達が報告をしなかったのは、あいつに感付かれるのを避けるためだったのね…」


リ級「…」


叢雲「何だか悪い事をしたわね。五月雨は逃したけれど、お詫びとして鳥井の居場所を教えてあげるわ」


リ級「本当か⁉」


叢雲「えぇ、だから後は貴方達で何とかしなさい」


リ級「…」


ー鎮守府 医務室ー


山城「はぁ…はぁ…」


瑞鶴「山城…大丈夫?」


夕張「大丈夫です。1ヶ月もすれば治りますよ」


瑞鶴「そっか…よかった…」


山城「はぁ…ダメージが艤装でカバーしきれなかったなんて…不幸だわ…」


夕張「いいえ!寧ろ幸運ですよ!普通なら死んでましたよ!」


山城「そう…」


瑞鶴「…」


山城「ねぇ瑞鶴…」


瑞鶴「ん?何?」


山城「五月雨…大丈夫でしょうか?」


瑞鶴「山城、今は五月雨の事を気にしてる場合なの?」


山城「私は別に命に別状はないんでしょう?なら心配いらないわ…だけど、五月雨は心配よ」


瑞鶴「…」


山城「…」


瑞鶴「…きっと大丈夫だよ!」


山城「…そうだといいわね」


瑞鶴「…」


ー執務室ー


提督「…はぁ」


三日月「…」


睦月「提督、あの、お茶…淹れてきましたにゃしい…」


提督「…助かる」ズズッ


睦月「…」


提督「…」


ドアガチャ


睦月「!!」


五月雨「」


睦月「五月雨…」


五月雨「」スタスタ


睦月「ね、ねぇ五月雨…大丈…」


バンッ


睦月「」ビクッ


五月雨「…」


提督「…」ペラッ


睦月「五月雨…?」


五月雨「解体申請書です」


睦月「えっ…?」


五月雨「艦娘自ら解体を望む場合にはこの解体申請書を提出します」


睦月「ちょ、ちょっと五月雨!本気ですか⁉」


五月雨「はい。本気です。私はもう艦娘である資格はありません」


睦月「…っ」


五月雨「私は今回、提督の忠告を蔑ろにしたうえ、皆さん、特に山城さんを危険な目に遭わせました。当然の罰です」


睦月「でも…そんないきなり…」


五月雨「いきなりではありません。申請書が受理されてから解体執行まで4日の期間を空ける規則があります」


睦月「そういう問題じゃないにゃしい!提督も何か言ってよ!!」

 

提督「…」


提督「」カチャ


提督「」ポンッ


睦月「えっ?」


提督「…ほら、判子を押した。これから解体まで4日時間をおく必要があるってことか?」


五月雨「はい。それでは失礼しました」


ドアガチャ


睦月「ちょ、ちょっと待ってよ五月雨!」ダッ


ドアガチャ


バタン…


提督「…」


三日月「司令官!本当に良かったんですか⁉」


提督「何がだ?五月雨は解体を望んでいるんだ。寧ろ優しいと思うけどな」


三日月「司令官は…やっぱり艦娘を憎んでいるんですか?幼馴染みを殺されたから…」


提督「違ぇよ!あいつが俺のアイスを無駄にしたからだって言ってんだろ!!」


三日月「司令官!!本当の事を言ってください!バレてるんですよ!それが嘘な事くらい!」


提督「…」


提督「…そうかよ。バレてたのかよ…」


三日月「えぇそうですよ。騙されるわけないでしょう?あんな適当な嘘…」


提督「あぁそうだよ!!本当に憎んでいるのは、誤射とはいえあの時あいつらを殺した艦娘達なんだよ!」


三日月「やっぱりそうなんですね…」


提督「あぁそうだって言ってる」


三日月「なら何故嘘をついたんですか?」


提督「…っ何!?」


三日月「司令官が理由なしに嘘をつくわけないじゃないですか」


提督「お前には関係ないだろうが!!」


三日月「当ててみます。司令官は本当は復讐なんてしたくなかったんじゃないですか?」


提督「何だと?俺は艦娘に復讐するために提督になったんだよ」


三日月「えぇそうです。ですがそれは最初だけだったんじゃないですか?」


提督「何を言っている…?」


三日月「最初こそ艦娘に復讐するつもりで来たんでしょう。ですが司令官は私達と暮らすうちにその気持ちも薄れていったのではないでしょうか?」


三日月「そんな中、五月雨の異変…恐らく提督が北内町出身である事を知った五月雨の異変に気付いた提督は、五月雨の傷口を抉らないようにバレバレな嘘で誤魔化したんですよね?」


提督「そんなわけないだろ!わかったような口聞いてんじゃない!」


三日月「司令官!!少しは正直になってください!司令官の行動は矛盾ばっかりなんですよ!」


提督「…っ!!」


三日月「私は、司令官の事はわからないです。五月雨もきっとわかってないはずです。だからこそ!司令官も、五月雨もお互いに本音で話してくださいよ…」

 

提督「…」


三日月「司令官…」


提督「くそっ!!」


ドアガチャ


バタン…


三日月「…」


ー3日後ー


瑞鶴「五月雨、あれから帰ってこない…もーっ!一体何してるのよ!!」


睦月「…」


熊野「確かに心配ですわね…五月雨さん、解体申請したのでしょう?」


瑞鶴「うん…この事は山城には知られないようにしないと…」


熊野「それがいいですわね。…ところで提督は?最近見かけませんけど…」


睦月「提督ならさっき帰ってきましたけど、またすぐに出ていったにゃしい…」


瑞鶴「…」


熊野「悠久鎮守府は…バラバラですね…」


睦月「…」


ー海軍特別刑務所的なやつー


五月雨「…」


ドアガチャ


看守「こっちだ。面会室だ」


?「…」


五月雨「…」


?「…君は?」


五月雨「初めまして、鳥井元提督。悠久鎮守府秘書艦の五月雨といいます。よろしくお願いします」


鳥井「…悠久鎮守府か。随分、珍しいお客さんじゃないか…」


五月雨「…」


鳥井「それで、他所の鎮守府の艦娘が、わざわざ面会にくるなんて、一体どうしたというんだ?」


五月雨「お伺いしたい事があります」


鳥井「うん」


五月雨「貴方は、深海棲艦から重要な情報を入手しましたね?」


鳥井「うん?俺は別にそんな情報を入手してないよ」


五月雨「いいえ、それは嘘です」


鳥井「…何でそう思ったのかな?何か根拠でもあるのかな?」


五月雨「…先日、貴方が務めていた鎮守府…落下点鎮守府を訪ねました」


鳥井「…へぇ、あの谷底の鎮守府によく行けたものだね」


五月雨「そこで全て聞きました。そもそも何故貴方が逮捕されたのか…」


鳥井「それは…俺が艦娘に酷い事をしたからで…」


五月雨「いいえ、それは嘘です。貴方が最も信頼していた艦娘…暁さん、阿賀野さん、アイオワさんと計画した演技だったんです」


鳥井「…」


五月雨「何故演技をしたのか…それを逮捕されるため。何故逮捕される必要があったのか…それは貴方が重要な情報を入手してしまったから。そして深海棲艦から狙われるとわかっていたから、貴方は鎮守府をすぐにでも離れる必要があった。貴方が捕まった理由は決して不純なものではなく、ただ艦娘の事を貴方なりに想った結果だったんですね…」


鳥井「…最早言い訳のしようもないね。さすがだよ五月雨君」


鳥井「それで、俺にどうしろと?」


五月雨「今すぐその情報を、大本営に報告してください」


鳥井「…何故?」


五月雨「深海棲艦が貴方を狙うのは、その情報が知られたくないからです。貴方がその情報を報告し、共有されれば深海棲艦も貴方を執拗に狙う理由がなくなります」


鳥井「そうか…でもそれはできない」


五月雨「何故ですか?」


鳥井「その情報を握っているのが俺だと相手もわかっている以上、艦娘達が人質にとられてるようなものだ。俺が情報をばらしたなら、暁達の命はないかもしれない」


五月雨「重要な情報をばらされて、そんな事をしている余裕があると思いますか!?」


鳥井「ないだろう。きっと…」


五月雨「なら…」


鳥井「だけど!不安なんだよ…俺のせいで、あいつらを危険な目に遭わせたくないんだよ!!」


五月雨「貴方は…」


鳥井「…」


五月雨「貴方は…取り残された人の気持ちを考えた事はありますか?」


鳥井「…えっ?」


五月雨「暁さん達の事ですよ!貴方と同じ、暁さん達は自分達のために、貴方が酷い目に遭っていると思っているんですよ!!」


鳥井「!!」


五月雨「それでも、皆さんは貴方に協力しました。何故か?貴方を信じているからです。貴方が皆さんを信じているのと同じように、皆さんも貴方が帰ってくると信じて待っているんですよ!」


鳥井「暁…阿賀野…アイオワ…俺は…」


五月雨「わかったでしょう?自己犠牲なんて…止めてください!そんなものは美徳なんかではありません!残された人が悲しむんですよ!両方が幸せにならなきゃ意味がないんですよ!」


~~~


『自己犠牲なんて言ってしまえば自己満足の延長だ!美徳なんかでは断じてない!』


~~~


五月雨「!!」


五月雨「(私…今、提督と同じ事を…?)」


鳥井「あぁ…すまなかった…暁…阿賀野…アイオワ…すまない…お前達の気持ちを考えず…」ポロポロ


五月雨「…」


鳥井「…五月雨君。ありがとう。お陰で目が覚めた」


五月雨「…えぇ」


ドガアアアアアアアアアアン


五月雨「!?」


ロ級「見つけたわ…鳥井提督さん…」


鳥井「なっ…深海棲艦!?」


五月雨「ロ級!!」


ロ級「!?…貴方は五月雨⁉」


五月雨「鳥井提督から離れなさい!」バッ


五月雨「…」


五月雨「…駄目…今は艤装展開できない…」


ロ級「ちょうどいいわ。貴方もついでに始末してしまいましょう!」ドーン


五月雨「きゃああああああああああああ!!!」ドガーン


バシャーン


鳥井「五月雨君!!」


ロ級「貴方は私と来てもらうわ」


鳥井「くっ…」


カチッ


ー大本営ー


相馬「こんにちは~♪」ドアガチャ


立花「おん?相馬じゃねぇか。お前も元帥に呼び出しくらったか」


相馬「まるで怒られにきたような言い方ね。まぁそんなところよ」


立花「あぁそうか…」


相馬「それで、何で私が呼ばれたのかしら?立花は何か知ってる?」


立花「さぁ?大和さんは何か知ってるか?」


大和「うぇっ!?…いえ、最近の提督は何をお考えになっているのかよくわからなくて…」


立花「そうか…鈴原はいないのか?」


大和「はい。召集がかけられたのはお二人だけですよ」


立花「元帥の奴…何考えてやがる…」


元帥「何か言ったかな?」ドアガチャ


立花「あっ元帥…」


相馬「立花が元帥の陰口言ってました!」


立花「はっおいこら相馬ふざけんな!」


元帥「ほーぅ?立花君は後で説教ね」


立花「(´・ω・`)」


相馬「それで元帥?私達を呼んだ理由は…」


元帥「あぁ、ちょっと待っててね…」カタカタ


モニター「」ピカー


立花「…モニター?」


元帥「うん。もうすぐ面白いものが見られるはずだからね」


相馬「?」


立花「面白いもの…?」


元帥「あぁ、私が10年間待ち望んでいた光景がね…」


立花「何だ?わけがわからない」


元帥「もうじきわかるさ。心の準備だけしておくんだね。それは唐突にやってくる…」


立花「…?」


相馬「(元帥…貴方は何を企んでいるの…?)」


ー海上ー


瑞鶴「あら、奇遇ね。こんなところで会うなんて」


ル級「ん?」


瑞鶴「たまたま偵察機に映ってくれてラッキーだったわ!」


ル級「…また貴方達なんですね。私達の問題の中心に貴方達はいつもいる。ならば、いい加減に潰した方がいいですね!」


ロ級「お姉様!!」


ル級「ロ級!鳥井は?」


ロ級「大丈夫です。向こうで拘束しておきました!」


ル級「よくやったわ!ならあの艦娘達を叩きのめしましょう!」


ロ級「えぇ、お姉様!」


霧島「相手は二人。普段はいるはずのとりまきもいない…これはチャンスです!」


夕張「えぇ確実にやっつけちゃいましょう!」


ル級「ふっ、前に大勢でかかったからって善戦したと思っているんですかね?」


ロ級「力の差を見せてさしあげましょう!」


夕張「何ですって!!」


瑞鶴「霧島さん!熊野さん!ル級の装甲を破りたい!協力して!」


霧島「わかったわ!」


熊野「了解ですわ!」


夕張「睦月ちゃん!私達はロ級よ!」


睦月「わかったにゃしい!」


阿武隈「ちょっ、あたしには何かないんですかぁ!!」


夕張「いくよ!」ダッ


阿武隈「ちょっと!!」ダッ


ロ級「ふふ…」ダッ


ドーン


ドーン


ドーン


ドガーン


瑞鶴「いっけーー!!」バシュッ


霧島「はあぁぁぁ!!」ドーン


熊野「とぉぉぉお!!」ドーン


ル級「…」


ル級「ふんっ!!」ドガッ


霧島「なっ…弾き返した⁉」


ル級「貴方達がよくやっている芸当よ。私も真似してみたわ」


熊野「いくらなんでも…3人の攻撃を弾くなんて…」


夕張「きゃあっ!!」ドサッ


瑞鶴「うわっ…夕張さん⁉」


睦月「にゃし!!」ギュイィィィィン


ロ級「無駄」バシュッ


睦月「がっ…」ドガーン


瑞鶴「睦月!!」


阿武隈「睦月ちゃん!!」


瑞鶴「くっ…こいつら、やたら強いよ…」


ロ級「だから言ってでしょ?私達姉妹は最強だって…」


睦月「うっ…」


ル級「さぁ!いきますよ!」ダッ


ロ級「わかったわ!」ダッ


ーーー


五月雨「…」


五月雨「…」


五月雨「…げほっ、げほっ…」


五月雨「…」


五月雨「…あれ?私は…」


提督「…気がついたか」


五月雨「提督…助けてくれたんですか?」


提督「あぁ、お前の事だ。何かしてると思ったんだ」


五月雨「…」


提督「…また変に無茶をして、殺されかけたな」


五月雨「…はい。ごめんなさい…」


提督「…いや、別にいいんだ」


五月雨「…えっ?」


提督「どんな事があっても、何度危機にさらされようとも、それでもしぶとく立ち上がる事ができる…俺はそのメンタルが、お前の魅力だと思う」


五月雨「提督…?どうしたんですか?急にそんな事言って…」


提督「ずっとお前に言えなかった事。っつーか今でも言たかないが…」


五月雨「…」


提督「でも…いつかは言わなきゃいけねぇからな…。これは建前とかそんなんじゃなくて、俺の本心だ」


五月雨「提督…」


五月雨「…」


五月雨「…私は、今の提督が嫌いでした」


提督「…」


五月雨「今の提督は酷い事言いますし、私達に冷たい態度とってきますし…まるで昔の私みたいにあらゆるものを憎んでます。だから嫌いです」


五月雨「何より…今までずっと私達に嘘をついてきました。そこが一番嫌いです」


提督「…」


五月雨「…だからこそ、こうして提督の本心を聞けて嬉しかったんです!」


提督「そうか、ただ俺がお前にそっくりって事は意味わかんないな」


五月雨「あれ?そうですか?似た者同士だと思いますよ?提督と私」


提督「何だと!」


五月雨「えへへ…」


提督「…」


提督「…さて、瑞鶴達が戦っている」


五月雨「はい」


提督「お前もこい」


五月雨「わかりました!…私の、最後の戦いですね!」


ーーー


熊野「ぐっ…」


夕張「はぁ…はぁ…」


ロ級「ふっ…」ドーン


霧島「ああっ!!」ドガーン


睦月「霧島さん…」


ル級「おやおや、随分ボロボロですね」


瑞鶴「…っ!!」ギリッ


ル級「もういいでしょう。さっさと終らせましょう」スッ


瑞鶴「!!」


五月雨「待て!」


ル級「ん?」


ロ級「何?」


五月雨「」


提督「よっ」


睦月「五月雨!提督!」


五月雨「…ここはお任せください」


一同「!?」


瑞鶴「何言っているの五月雨!あいつらは五月雨の歯が立つ相手じゃない!」


五月雨「わかってます!…でも、最後くらい…かっこよく決めさせてください…」


睦月「五月雨…」


提督「お前らこっちだ!俺の船に乗れ」

 

一同「」ダッ


提督「…」


睦月「五月雨…」


ー大本営ー


立花「えぇっ!無茶だろ!あんな奴を五月雨一人で倒すのかよ!!」


相馬「五月雨ちゃん。…まさか死ぬ気じゃ…」


元帥「…」ニヤッ


ー岩影ー


被験体「元帥の奴…何を考えているの?貴重な霊剣鎮守府の艦娘を捨てる気なの…?」


ーーー


五月雨「大丈夫…私は、悠久鎮守府の五月雨!私を信じてくれる人のために、私は勝つ!」


ル級「笑わせるな…はっ!」ドーン


五月雨「やあああああああああああ!!!!」


バシュゥゥゥゥゥゥゥゥウ!!


ル級「ぐわっ!」


ロ級「ひゃっ!」


瑞鶴「何!?」


立花「何だ…あの光は…」


相馬「わからない…でも、何だか綺麗ね…」


被験体「なっ…五月雨が光っている!?何だ?どうなってる!?」


睦月「五月雨が…光ってる…」


提督「…」


五月雨「やあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」


ドオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!


その時、彼らが見たのは…


五月雨「」


淡い光に包まれた五月雨の姿だった…


ル級「なっ…」


相馬「何…あの五月雨は…」


立花「画面越しでも…その圧力が伝わってくる…おい元帥!これは何だ⁉」


元帥「ふっふっふ…はーっはっはっはっは!」


元帥「あぁ、そうだ!やっぱりそうだったんだ!」


元帥「ケッコンカッコカリもそうだ!艦娘の力の源…それは信頼…特に提督との信頼関係だった!私の考えは正しかったんだ!!!」


元帥「見てるか!?これが、これこそが霊剣鎮守府の艦娘本来の力だ!霊剣鎮守府の艦娘が!今!復活したんだあああああああああ!!!!」


被験体「元帥…こんな話、聞いてないわ…霊剣の力にまだ上があったなんて…」


ーーー


ル級「何なのよ…その姿は…」


五月雨「貴方達の能力は把握しました。前衛はお任せください」


ロ級「やりましょう!はぁ!」バシュッ


ル級「やあっ!!」ドーン


五月雨「」ヒュンッ


ロ級「よ、避けた⁉」


五月雨「」ドーンドーンドーン


ドガアアアアアアアアアアアアアン!!


ル級「くっ…」


ロ級「お姉様⁉」


霧島「何よあの火力!」


睦月「今までの力の比じゃないくらい強くなってるのね!!」


阿武隈「それだけじゃない。あのスピード、そしてあの装備の多さ…普通の艦娘と違う!」


被験体「今の五月雨は…それを超えた力を手にした!」


ロ級「お姉様!大丈夫ですか⁉」


ル級「この程度の攻撃…があっ!衝撃を…殺しきれないっ…」


ロ級「お姉様!!…貴様…」


五月雨「」バッ


五月雨は61cm四連装魚雷を3つ、空中に浮かせ、発射した


五月雨「」バシュッ


ロ級「な、何で…こんなに…」


ル級「ロ級!!」


ロ級「ひっ…」


ロ級「ああああああああああああああああ!!!!」ドガアアアアアアアアアアン


ル級「ロ級!!くそっ!」ドーン


五月雨「」バシッ


ル級「は、弾いた⁉」


五月雨「」ドーンドーンドーン


12.7cm連装砲を上に向け3発放ち、再び構えた


ル級「おのれええええええ!!」ドーン


五月雨「…っ!!」ドーン


ル級の砲弾を狙い撃ち、砲撃をかき消した直後、ル級に砲弾が雨の如く降り注いだ!


ル級「ぐわあああああああああああああ!!!」


ドガアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!


夕張「やった!」


霧島「やりました!」


熊野「すごいですわ!」


睦月「五月雨…」


提督「…」


五月雨「はぁ…はぁ…皆さん!見てくれましたか!」


瑞鶴「すごいよ!五月雨!」


五月雨「えへへ…」


ー大本営ー


相馬「…」


立花「すげぇ…」


元帥「…」コツコツ


相馬「元帥」


元帥「…ん?」


相馬「元帥の目的って、これの事だったのね…」


元帥「あぁ、そうだよ」


相馬「まさか、目的を果たしたから、鈴原は用済み…なんて言わないわよね?」


立花「なっ、元帥!!」


元帥「…ふふふ、安心してくれていい。私もそこまで外道じゃないよ」


相馬「本当かしら?」


元帥「そうだよ。そもそも、五月雨君のあの力の維持には、鈴原君が必要なんだ。どっちみち、まだ用済みにするわけにもいかないなぁ」


相馬「そう、ならいいの。でも…」


相馬「鈴原君は私の友達よ。何かしたらただじゃおかないから」

 

立花「そうだぞ」


相馬「…」


元帥「…」コツコツ…


相馬「…」


相馬「さっ、帰って秋祭りの準備よ~♪」コツコツ


立花「あっ、ちょっと待て相馬!」ダッ


ー鎮守府ー


三日月「司令官。五月雨と仲直りできたんですね!」


提督「は?別にそういうのじゃねえから」


瑞鶴「五月雨、本当に助かったよ。すごいじゃん!何なの?あの力」


五月雨「…いえ、私にもわかりません…」


五月雨「…ただ、最後に活躍できて嬉しいです!」


睦月「五月雨…最後って…」


五月雨「…はい。そういうことです」


五月雨「私は、今日で解体となります…」


三日月「五月雨…」ポロポロ


五月雨「ごめんなさい…」ポロポロ


夕張「五月雨ちゃんが謝る事じゃないよ!」ポロポロ


熊野「五月雨さん…これからも一緒に生活できると思ってましたのに…」ポロポロ


五月雨「皆さん…ぐすっ…ありがどうございまじだ…」


提督「…」


五月雨「提督…私を…解体して…ください…」


提督「は?何言ってんだお前?」


五月雨「えっ?」


睦月「えっ?」


三日月「えっ?」


五月雨「何って…解体申請書…」


提督「はぁ…お前ら根本的に勘違いしてるぞ」


霧島「…勘違い…?」


提督「」ゴソゴソ


提督「」ペラッ


提督「これが先日お前が出した書類だ」


五月雨「えっと…有休申請書…?」


提督「そうだ。日数が記入されてなかったから溜まってた日数全部消化させてやった」


五月雨「?????」


阿武隈「…てことは…」


睦月「五月雨は…解体されない…?」


提督「そうなるな」


一同「…」


五月雨「あっ…あはは…」


瑞鶴「あははじゃねえぞ五月雨野郎!!」


五月雨「いだだだだだだだ!痛い痛いです瑞鶴さん!!」


瑞鶴「うるせー!」


睦月「無駄に心配させてこのやろー!!」


三日月「さすがに酷いです!!」


五月雨「ごめんなさいゆるしてくださいいたいいたいいたいってえええけえ!!」


提督「はぁ…こいつらときたら…」


五月雨「提督!助けてください!」ガシッ


提督「は?こっちくんなあああああ!!!」


「待てえええええええ!!!」


提督・五月雨「うわぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!」


~~~


提督「…これが、悠久鎮守府の歴史だ」


陽炎「そっか…大変だったのね」


睦月「あの後鳥井提督がお礼にきたにゃしい!」


陽炎「その提督も助かったのね」


提督「あぁ、まぁこんなところだろう」


陽炎「そうね。かなりクセが強かったけど、面白かったわ」


五月雨「そりゃよかったです!」


提督「んじゃ、お前もそろそろ寝ろよ」


睦月「はーい」


陽炎「でもその前に…」パシッ


提督「あっ!俺の封筒!返せ!それ元帥に提出したらボーナスが出るんだよ!」


陽炎「返しません!何てものを持ってたのよ!」


提督「俺のボーナスがあああああ!!!」


瑞鶴「うるさいよ!今何時だと思ってんのよ!!」ドアガチャ


陽炎「げっ…」


提督「しまった!!」


瑞鶴「瑞鶴攻撃隊!発艦!」バシュッ


ドガアアアアアアアアアアアアン


提督「あああああああああああああ!!!」


五月雨「きゃあああああああああああ!!!」


睦月「にゃしいいいいいいいいいい!!!」


陽炎「何でえええええええええええ!!!」


かくして


悠久鎮守府の昔話はおしまい


だが、鎮守府生活はまだまだこれからも続くだろう


きっともっと恐ろしい事が起こるに違いない


それでも、きっと大丈夫!


私達には、信じ合える仲間がいるから











初霜「次回予告!」


初霜「海軍!不法侵入!」


初霜「出落ち担当は三日月に決定!」


初霜「そして言い出しっぺの法則を華麗に破る瑞鶴さん!」


初霜「次回!リアカーの上って乗ってみたくね?」


初霜「多分やらないわ!」


提督「帰れ」


後書き

前回最終回と書きましたが、あれは嘘です。


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