熊野「早く…日本へ…。」
第七艦隊 熊野
彼女の戦いは、日本に帰るまで終わらない…
どうも、こっぺです。
今回はレイテ沖海戦の熊野の話を書いてみました。
何度も攻撃を受けても日本に帰ろうとする姿に感動しました…。
それにアレンジを加えてみて、熊野が幸せになれるように頑張りました。
この話は事実を元にした話です。
川崎市
熊野「…ここは?」
⁇⁇「気がつきましたか?」
熊野「あなたは誰ですの?」
⁇⁇「私は貴方の艦長をやらせていただくものです。」
熊野「そうですの。よろしくお願いしますですわ。艦長。」
艦長「よろしくお願いします。」ぺこっ
熊野「ところで、何で貴方はそんなに小さいですの?」
艦長「ははは…。まあ、気にしないでください。」
熊野「そうですの。」
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1944年10月 レイテ沖
熊野「ん?…これは敵の空母ですの。」
鈴谷「熊野?どうしたの?」
熊野「あ、鈴谷。今からあの空母を落とすために援護お願いしますわ。」ざぁー‼
鈴谷「あ、くま…‼」はっ
鈴谷「そっちは駄目ー‼」
熊野「鈴谷?いまなにか聞こえたような…。」
艦長「煙幕だ‼一旦減そ…」
熊野「いえ、突っ込みますわ。」ざー‼
鈴谷「熊野ー‼熊野ー‼」
鈴谷「くそっ、やっぱ聞こえないか…。」
鈴谷「こうなったら利根と筑摩を…。」
ヒュュュュュュュュュ‼
鈴谷「え…嘘…直上‼」
ドカァァァァァァァァン‼
鈴谷「くっ…でもまだ走れる‼」
鈴谷「ってー‼」ドカァン‼
鈴谷「もう、15.5センチは古いのかな…打つたびに震度が来るよ。」グラグラ
すっ…
鈴谷「あ、魚雷…。」
鈴谷「私、もう駄目みたい。」
鈴谷「熊野…。」
ドゴォォォォォォォン‼
鈴谷「うっ…もう…駄目…。」
鈴谷「せめて中の人だけでも…。」
沖波「鈴谷さん‼」
鈴谷「沖波…じゃん…丁度よかった…」
鈴谷「この人達を…お願い…。」
沖波「そんな…鈴谷さんは‼」
鈴谷「熊野を頼んだよ。」
沖波「鈴谷さん…分かりました。」
鈴谷「はは…ありがとう。あとは1人にさせて…。」
沖波「はい…では、御武運を…。」ポロポロ
鈴谷「何それ…これから沈む船に御武運って…。」
鈴谷「すぅ…はぁ…」
鈴谷「ねえ、熊野きこえる?」
鈴谷「私ドジっちゃってお別れになるの…。」
鈴谷「だからさ…」
鈴谷「日本に私のお墓をたててね。」ポロポロ
ゴボゴボゴボゴボ…
ぼちゃん…
熊野「はあ…はあ…魚雷…全部よけれなかったですわ…。」
艦長「…。」ポロポロ
熊野「あら、どうしたのですわ?」
艦長「熊野さん…。」
熊野「はい?」
艦長「今すぐこの海域をでます。」
熊野「はぁ?」
艦長「方向転換して、今出せる最大速度を出してください。」
熊野「なんでですの?敵は目の前というのに…」
艦長「いいから従ってください‼」バンッ
熊野「…わかりましたの。」ざー‼
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沖波「熊野さん‼」
熊野「沖波。貴方も撤退ですか?」
沖波「いいえ、貴方を護衛にきました。」
熊野「そう…ところで、鈴谷を見かけませんでした?」
沖波「⁉」
熊野「あの後、どうなったのかしら…。」
沖波「あ、あの…。」
熊野「ん?なんですの?」
沖波「先に日本に帰ってるのことです‼」
熊野「そう…ありがとうですわ…」
沖波「いえ…では、私はこれで。」
熊野「さよならですの。」
艦長「…。」
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熊野「はぁ…はぁ…もう、疲れましたわ…。」
艦長「諦めないでください。もうすぐ日本です。」
熊野「もうそれ100回は聞いてますわ…。」
艦長「それでもです。」
熊野「分かってますわ…でも…足が…ほとんど動きませんわ。」
艦長「やはり、海上補給だけじゃ…‼」
艦長「敵空母見ゆ‼艦載機きます‼」
熊野「っ‼かい…」ぐっ
熊野(やっぱり、もう限界ですわ。)
艦長「熊野さん⁉」
ドカァァァァァァァァン‼
熊野「げほっ…げほっ…もう…歩けませんわ。」
艦長「熊野さん…。」
熊野「今まで励ましてくれて、ありがとうですわ。」
熊野「私は、あと沈むのを待つのみの船ですわ…」
熊野「せめて、貴方だけでも…。」
艦長「…総員
応急手当て開始‼」
はっ‼
熊野「何で…ですの…」
熊野「何でこれから沈む船を修理してるんですの…」
艦長「急げ‼第二次が来るぞ‼それまでにタービン直しとけ‼」
熊野「なんて…馬鹿ですの。」ポロポロ
ヒュュュュュュュュ
空に空気を着る音が鳴る中の、艦長はこう言った。
艦長「貴方は沈めません。鈴谷さんとの約束のお墓をたてるまでは…。」
ドカァァァァァァァァン‼
気がつけば海中だった…
目の前の光が無くなる…
艦長…最期の言葉、もっと早く聞きたかったですわ…
艦長「最期ではありませんよ。熊野さん。」
ピカァァァァァ‼
眩しい…
でも…あったかい…
艦長…何があったの…
熊野「あれ…私…なんで…。」
熊野「足も、手も動く…なぜですの…」
熊野「艦長…艦長‼」
熊野「…まずは撤退しますわ。まずはそれからですわ。」
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熊野「⁉」
熊野「また艦載機ですの?しつこいですわ。」
ヒュュュュュュュュ
ドカァァァァァァァァン‼
熊野「あっ‼…くっ、もう片方見えれば十分ですわ。」
熊野「敵魚雷確認‼今回避を…」
ドゴォォォォォォォン‼
熊野「あぁぁぁ…動いて…動いてください…。」
熊野「私は…日本へ…早く日本へ帰らないと…」
ごぶっ…ぶぶぶぶ‼
熊野「動いてくれましたわ。これで…かえれますわ…。」
熊野「あ…あれは…沖縄…もうすぐ…ですわ。」
熊野「⁉」
熊野「潜水艦‼もう少しでしたのに…」
熊野「はぁ…はぁ…やっとまけましたの。」
熊野「そして、つきましたの…やっと…やっと…。」ふらっ
バタンッ‼
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熊野「ん…ここは…?」
作業員「あ、気づきましたか?」
熊野「そうですわ…早く…たてないと…」
作業員「まってください。」
熊野「いやですわ。それより、今日はなん月なん日ですの?」
作業員「今日は、11月30日です」
熊野「そうですの…私は1ヶ月も…」
作業員「いえ、1年です。」
熊野「え…」
作業員「日本は負けて、戦争は終わりました。」
熊野「ちょ、ちょっとまってください。皆は…」
作業員「…ほとんどいません。第七艦隊は貴方以外全滅です。」
熊野「そ、そんな…嘘…です…わ…」
作業員「貴方も時期に解体されることでしょう…。」
熊野「まって…私には、やらないといけないことが…」
作業員「えぇ、分かってます。なので急いでください。あと2日であなたは…」
熊野「分かりましたわ。ありがとうですの」たっ
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熊野「ここがいいですの。」
熊野「出撃前、鈴谷と見た暁の水平線は、忘れませんわ…」
ザクッ…ザクッ…
熊野「こんなものですわね…」
熊野「一人じゃ寂しいですわよね…」
熊野「艦長も、隣、いいですの?」
熊野「…疲れましたわ。」
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熊野「ん…ここは…?」
鈴谷「熊野じゃん‼おっひさ〜」
熊野「」
鈴谷「ん、どしたの?まさか私と会えて感無量だったり…」
熊野「鈴谷…」ポロポロ
鈴谷「え…ちょ…」
熊野「鈴谷ー‼」びぇぇぇん
鈴谷「…ありがとう、熊野。日本にもどってくれて。」なでなで
熊野「…ぐすんっ」
熊野「ところで、ここはどこですの?」
鈴谷「あー、ここは70年後の日本の鎮守府だよ。」
熊野「え?」
鈴谷「これからも私たち、一緒に出撃したりできるんだよ。」
熊野「本当ですの…?」
鈴谷「マジマジ…っと、じゃぁ、提督に会いに行こうか。」
熊野「ちょっ鈴谷、あまりひっばりないで…」
鈴谷「早く早く〜」
熊野「もう…ですの」
これで終わりです。
これを機に、皆さんが史実を知ってくれると嬉しいです。
「先に日本に帰ってるとのことです」
この台詞いいですね
1番さん、コメントありがとうございます。
史実とは少し違いますが、沖波さんならそうするかな…と思い書かせてもらいました。
史実の熊野の最期は悲し過ぎます…。
胸に響く話しですね
3番さん、ありがとうございます。
私は史実を見ながら泣いてしまいました…
これから頑張って鈴谷と熊野を育てたいとおもいます。